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2011年12月26日

間伐材を燃料にして、森を守る―河内長野市・薪ステーション―

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環境に優しい薪ストーブを公共施設や市民モニター宅で使用

 河内長野市は市域の約7割が森林。自然豊かな街で、行政も『奥河内』と銘打ち市内外にアピールしている。
 その一方で、林業の衰退は否めない。山の所有者や林業に従事する人の高齢化、後継者不足、安い木材の輸入などが原因だ。河内長野市農林課の福田信行主査によると「市内の森林のうちおよそ7割は人工林。里山や、林業用に植林された林です。それらに手が入らなくなると、木一本一本の育成が悪くなる、生長しすぎた木々によって日の光が遮られて地面に草が生えなくなり土砂災害の危険性が増すなど問題が起こりやすくなります」。

 そこで市では、森林の所有者に許可を取り、間伐材を市が貰い受ける事業を昨年度から開始した。「山に伐り捨てられた間伐材を薪に加工し、市立宮の下駐車場に設けた『薪ステーション』まで運び、保管しています」。以前は間伐材も商売になったが、現在では森林から持ち運ぶ費用すらねん出できなくなっている。これまでは森林の状態を維持するために間伐しても、間伐材の活用法がなかった。市が貰い受けることで森林の維持・管理に役立ち、所有者にとっても助かる話だ。また、運搬には人手も必要。人を雇うことで雇用対策も兼ねている。
 では、薪ステーションに集めた薪は、どう活用しているのか。「市内3か所の公共施設で計4台の薪ストーブを設置し、そちらの燃料にしています」。以前から「岩湧の森『四季彩館』」では薪ストーブを設置していたが、平成22年度から新たに2か所の公共施設で3台の薪ストーブを使用するようになった。「四季彩館の来館者からは『心が落ち着く』『山に登らなくても登山をした気分になれる』といった声がありましたが、新設した施設でも薪ストーブの前に施設利用者が集まり、アットホームな雰囲気を作っているようです」。灯油を使っていた時よりも光熱費が改善され、CO2排出削減など環境負荷軽減にもなっているのでは、と福田さんは感じている。

 「また、昨年度より(薪ストーブを保有している)市民の方からモニターを募集し、薪ステーションの薪を使用して頂いています」。モニター数は昨年が10件、今年は11件が参加。薪の品質や使い勝手などのレポートを年3回、提出してもらっている。ストーブの前に家族が集まるようになり家族団らんにつながっている、洗濯物がよく乾く、火を熾す(おこす)などの手伝いを子どもたちが率先してやるようになった、お鍋や焼き芋作りなどの料理に最適、といった意見が寄せられているそうだ。
 「『薪ステーションの薪を欲しい』という問い合わせが市の内外から届いていますので、来年度あたりから販売できるよう、現在(価格などを)調査中です」。事業を民間へ引継いでもらおうと働きかけも行っている。
 家族が集まり、自然にも優しい薪ストーブ。河内長野産の薪が新たな「大阪のブランド」になりそうだ。

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