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スポーツ

2012年1月8日

FCIアジリティ世界大会で準優勝  ―泉北ドッグスクール 山口麻穂さん(26歳)―

「2012年・輝く人」
山口麻穂さん

日本人初表彰台の快挙!

 アジリティをご存じだろうか。犬が飼い主の指示に従い、障害物を規定通りにクリアするというスポーツ(写真)だ。
 その世界大会のなかでも最大規模、最も権威があるFCI(国際畜犬連盟)アジリティ世界大会で個人としては日本人初の表彰台、準優勝に輝いたのが、山口麻穂さんと愛犬のスズカちゃんだ。
 「両親も兄もドッグトレーナーです」という環境で育った山口さん。母親がIPO競技(犯人襲撃や臭いによる追跡などを競う)で日本人初の世界大会(FCI主催)準優勝を獲得した姿をみて「『この舞台に立ちたい!』と思いました」。小学校4年生の時だった。
 両親がヨーロッパ式訓練のドッグスクールを経営、練習施設と犬たちが幼い頃から身近にいた。また、家族が良きコーチ。「父はIPOの日本代表として何度も世界大会に出場していますし、兄はFMBB(ベルギーシェパード)世界大会で(アジリティ部門の)優勝も経験しています。母も(何度も)アジリティとIPOのどちらも代表になっています」。的確な指導が日々受けられる。「私は環境的に恵まれている。ありがたいと思います」。

 今回、優勝を果たしたスズカちゃんとは「縁あって巡り会いました」。アジリティにはシェットランドシープドッグ(シェルティ)という犬種が向いている※。そのシェルティを譲ってもらえるなら連絡して欲しいと、知り合いに打診していた。「その方から『もらい手を探しているシェルティがいるけど、どう?』と連絡があって、すぐ譲り受けました」。母親の血統や戦歴もあまり確認せず、スズカちゃん自身の動きや能力も見ずにもらい受けた。それが世界2位の栄冠を勝ち取るパートナーになった。
 「犬とアジリティのトレーニングを行うとき『訓練している』というよりも一緒に楽しんで練習するパートナーです」。それはアジリティのときだけではない。「うち(泉北ドッグスクール)は飼い犬のしつけも行いますが、犬のしつけ以上に飼い主さんの指導を重視しています」。犬の行儀が悪いのは、犬のせいではない。しつけられない飼い主の問題だと考え、飼い主指導を重要視している。「ヨーロッパでは主流のやり方ですが、国内では珍しいですね」。

犬はパートナー。今年も世界大会目指して、ともに楽しみながらベストを目指す

 「今回は巡り会いと運で準優勝になれました。大会では2回、コースを走るのですが、1回目は10位だったんです」。0.002秒差に数頭がひしめく大混戦。2回目の競技で大逆転の2位を勝ち取った。「運が良かったんですよ」と山口さんは繰り返す。
 国内の大会に参加している犬は約600頭いると言われている。世界大会に出場するためには、それら国内大会で上位に入ってポイントを稼ぎ、ポイント数上位20頭までが出られる国内予選会で3位までに入らねばならない。かなりの狭き門だが、「昨年12月にあったJKCカップ(ジャパンケンネルクラブ)でも優勝し、(国内予選会の)出場はほぼ決まっています」。
 では、今度は世界1位を目指すのですね?「とんでもない! 前回は本当にたまたま。一緒に楽しみながらベストの走りをしたいですが、こればっかりは運ですから、意識してません」。ちょっとしたミスで、日本代表の枠を逃すことすらある。意識せず普段通り、スズカちゃんと楽しみながらベストを尽くす。
 「あと、今年はIPOの代表も目指したいです。以前(代表に)なったこともあるので、またやりたいですね」。片意地張らず、自然体で犬と楽しむ。だから犬も楽しげに走る。今年も山口さんとスズカちゃんは、楽しみながら世界を目指す。

※ シェルティは小型・中型犬種の場合。大型でボーダーコリーはが向いている。なお、IPOにはベルジアン・マリノアなどのシェパード系が向いているそうだ