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アラン・ドロン特集

2012年2月21日

アラン・ドロン特集1 地下室のメロディ(1963年 暗黒街映画)

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監督 アンリ・ヴェルヌイユ
出演 ジャン・ギャバン/アラン・ドロン

スケールを大きくしたドロン

 アラン・ドロンの出現は映画界の事件でした。パリ郊外の乾物屋に生まれた息子が、素行不良、高校もろくに行かず所払いのようにインドシナ戦線に。本人いわく「あるといえばこのツラだけ」でフランスに戻った彼は美貌を武器に現代の「ベラミ」さながらサクセスしていく。1960年代から70年代にかけて、日本における彼の存在は、ブラピやジョニデでさえ、その比ではありませんでした
▼ハンサムだからか。逆説ですが付いているだけマシという顔でも名優にはなれます。女あしらいがうまいのか。あしらいという軽いレベルで判断しては絶対見抜けないものがあるのではないでしょうか。ともかくみていきましょうよ。「地下室のメロディ」はアラン・ドロンがフランス映画界のボス、ジャン・ギャバンと組んだ話題作です。アラン・ドロンにはこういう「ジジ殺し」ともいうべき年上の有名人に可愛がられる何かがありました。ルキノ・ヴィスコンティそしてルネ・クレマン。大監督が奪い合うようにして彼を使いたがったのはなんの魅力のせいか
▼「地下鉄のメロディ」ではエレベーターのロープを伝いスタントなしで、自分で降りています。「さらば友よ」「スコルピオン」「冒険者たち」「帰らざる夜明け」などでも、「全力疾走」「障害物競争」(柵や垣根を飛び越える、綱を猿のように登る、降りる)「高所からの飛び降り」といったシーンをみれば、彼の演技の半分は運動神経がささえているとわかります。ま、運動神経だけで一流にはなれないでしょうが、たとえばこのすばしこさがこまやかな配慮となって随所に現れればどうでしょう。気持ちよくなる男女は一人や二人ではないはず
▼ジャン・ギャバンにすっかり気にいられたというか、ギャバンのふところの深さに上手に甘えるというか、「地下室のメロディ」のあと「シシリアン」でも共演。フランス映画の伝統である「暗黒街映画」にしっかり自分の一画を占めます。この時期のアラン・ドロンはスケールアップしていくさまが手に取るようにスクリーンに現れている、そんな一作です
▼でもね、問題はラストシーン。ケチをつけるわけではないけど、10億フランがプールの水面をおおうのでしょ。スクリーン満杯のお札の威力でうっかりしていたけど、これってアラン・ドロンがバッグの口を閉め忘れたから? いやそんなふうもなかったわ。じゃ水圧で口があいたわけ? 一世一代の大仕事にわざわざそんなぼろカバンを持っていくか? ルイ・ヴィトンの国で。

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