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スポーツ

2012年2月9日

目指すはパラリンピック。ボッチャの普及活動も ―ボッチャ選手・高田信之さん―

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真剣に、楽しみながらボッチャを続けたい。多くの人に支えられ、強化選手として海外遠征も視野に

 ボッチャという競技を御存知だろうか。ジャックボール(目標球)という白い的玉に向かってボールを投げ、どれだけ近づけることができるかを競う競技で、パラリンピックの正式種目。脳性麻痺などのため運動機能に障害がある重度の障害者でも楽しめるスポーツとして、世界40か国以上で楽しまれている。
 そのボッチャの選手・高田信之さん(東大阪市在住)が車いす生活を余儀なくされたのは、2003年の7月。「海で遊んでいたのですが、飛び込んだら浅瀬だったんです」。元々、水泳の選手として泳ぎは得意だった。しかし、その海の事故で脊椎損傷という重傷を負う。「僕自身は『地球に喧嘩を売った』って言ってます。きっと、地球の裏側では揺れたと思いますよ」。

 明るく、笑いが絶えない高田さんだが、実際には苦しいリハビリを続けてきた。事故直後はまったく意識がなく、意識が回復した時には全身が動かなかった。そのリハビリの中で、リハビリの先生からボッチャを勧められた。「その年、千葉で大会があったのですが『ディズニーランドに行くから、ついでにやろか』って」。その大会で、初めて出場した仲間が4位入賞。自分もできるのではと、本格的に競技を始めた。
 「ボッチャは障害の度合いによってクラス分けがあり、脳性麻痺や筋ジストロフィーなど重度の障害を持つ方でもできる競技。でも、ただ的に近づけるだけではありせん。相手のボールをはじき飛ばしたり、的にボールを当てて(すでに投げていた)自分のボールに近づけたりできますから、(戦略など)本当に奥の深い競技。健常者の方でもレクリエーションとして楽しんで頂けます」。
 高田さんはBC4クラスで国内トップクラスの選手。国内の大会や2016年のリオデジャネイロパラリンピックへむけて練習をしながら、地元の施設(高井田障害者センター)と協力し、市内の小学校などを回り、ボッチャの普及活動も行っている。
 「昨年は4回、小学校でボッチャの指導を行いました。子どもたちがボッチャを楽しく、必死に取り組んでくれたので、嬉かったですね」。ボッチャの普及活動は、障害者への理解や啓発にもつながる。「障害者の人たちとどう接すればいいのかなど、質問も受けました。また、ボッチャが普及すれば、なかなか外出できない重度の障害を持つ方が外に出るきっかけになると思いますので、ボッチャを広めるためにも、障害者への理解を広めるためにも、普及活動を続けたいですね」。

 ボッチャはボールと場所さえあればできるスポーツ。まだまだマイナーな競技だが、ボッチャを通じて多くの障害者が外出し、楽しめる環境づくり。健常者が協力できることは多いはずだ。
 「ボッチャでパラリンピックに出場するためには、海外の大会に出場しなければなりません。ただ、その費用はほとんどが実費。僕の場合、ヘルパーさんが一緒でないと生活できませんから、2人分の費用が必要になります。昨年、香港で行われた大会に出場した時には、多くの方から寄付を頂き、本当にありがたかったです」。
 高田さんがパラリンピックに出場することで、多くの障害者の勇気になるだけではなく、ボッチャの普及にもつながってくる。次のパラリンピックに向けた海外の戦いは、来年から始まる。多くの方の協力を、願ってやまない。

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