女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

シネマ365日

2012年3月8日

陽の当たる場所 (1951年 社会派映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ジョージ・スティーブンス
出演 モンゴメリ・クリフト/エリザベス・テイラー

暗いのに目立つ  いやな共演者 

 ハンサムだけどなんとなく暗いって人、いますね。モンゴメリ・クリフトなんかその代表格だと思うのよね。どんな役をやらせても影がある。だから、いびられ役の「地上より永遠に」なんか絶賛されましたよ。本作はモンティ31歳のとき。45歳で没。長いとはいえない生涯ですがいい作品に恵まれました。というのも気にいらないオファは断ったのよね、この人。「波止場」「エデンの東」「真昼の決闘」「サンセット大通り」がその一部。一級の映画ばかりですが「見切り千両」自分に向かない役をとらなくて賢明だったわ▼貧しい青年ジョージ(M・クリフト)は田舎から出てきて、町で事業に成功した叔父の会社に職を得る。叔父の邸宅で社交界の花形アンジェラ(E・テイラー)に一目惚れしたが、所詮身分違いと諦める。同じ職場で出会ったアリスと親しくなり彼女は妊娠する。ジョージは叔父のパーティーでアンジェラに再会。ジョージに惹かれたアンジェラは両親を説得し彼との結婚を決める。アリスはおさまらない。困惑したジョージはアリス殺害を意図するが…▼さんざんアリスと遊んで妊娠させ、大金持ちの娘が振り向いたとたん乗り換え子供を始末しろ、アリスが結婚してくれと迫ると死んでくれたらいいのに…そりゃ女は怒るわ。おまけにジョージの肝っ玉の小さいこと。始終ビクビクおどおど。観客が頭にきて「こいつをなんとかしろ」と怒りだす前に、監督はさっとシーンを法廷に切り替える。本作の半分は裁判劇でもあるのです▼上流社会に憧れる青年が女を踏み台にしたプロセスがあぶりだされると、不思議なことに金持ちの傲慢さとか、利己的だけど貧困ゆえに浮かび上がることに必死だったジョージの懸命さも浮き彫りになり、いやなやつ一辺倒だった男のエゴに社会的な背景が現れる。でも監督は甘やかさない。手を下さなかったとしても、アリスの死を願ったことで自分は罪を犯したのだ、とジョージに厳しい自己判決を下させる▼死刑執行の日、アンジェラが会いにきて永遠の愛をジョージに告げる。リズ19歳。清楚、可憐、無邪気そのもの。これはもうけ役でした。本作の5年後モンティは交通事故で顔面に大怪我をおい、絶望視されましたが傷を克服、精神に過去のある男を演じ「ニュールンベルグ裁判」で復活します。暗いのに存在が目立ってしまう俳優で、共演者はいやだったでしょうね。

Pocket
LINEで送る