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シネマ365日

2012年3月14日

隠された記憶 (2005年 サスペンス映画)

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監督 ミヒャエル・ハネケ
出演 ジュリエット・ビノシュ/ダニエル・オートウイユ/アニー・ジラルド

やましさが消えてくれない 

 ミヒャエル・ハネケとデヴィッド・リンチは年も近いが、シュールな作風も近い。リンチほどキワモノ的ではないにせよ「隠された記憶」のジグザグのプロセスはかなりなものだ。このごろ観客に結論は「任せる」という映画が多いけど、任せればいいってものじゃないだろ。一体話はどうなっている、責任とれといいたくなるのだってあるよね▼「隠された記憶」のはこんな会話で始まるのです「何だろう、うちだよね」「どこから撮ったのかしら」というふうに、夫婦が送りつけられてきた正体不明のビデオを見ながら会話している。変哲もない自宅の玄関が撮影されているだけ。つぎに描き方は幼稚だが、子供が血を吐いているこわいイラストが送りつけられる。夫婦は友達を招いたパーティでどうしたものか相談するが、実害がないので警察も相手にしないだろうということで放っておく▼しかし夫のジョルジュ(D・オートウイユ)には心当たりがあった。ジョルジュの母親(これがまあアニー・ジラルドです)がふと口にした自分の子供のころのこと。身寄りが死んだ使用人の息子マジッドを、両親が養子として引き取ったことがいやだったジョルジュは、ウソをついてマジッドを施設送りにする。今も貧しく暮らしているマジッドを訪ね、お前のいやがらせだろうとジョルジュは攻め立てるがマジッドは潔白を主張、息子が外泊したのもマジッドの仕業だとジョルジュは警察に訴える。マッジドはジョルジュの目の前で首を掻き切り身の証をたてる。マッジドの息子は父を死においやった張本人としてジョルジュを難詰し、気の小さいジョルジュは、ショックとストレスで寝込む▼妻アンはジョルジュの友人との不倫を息子に感づかれ、息子は母親への不信を顕にする。アンは自分になにも打ち明けてくれない夫にこれまた不快とも不審ともいえぬ感情を拭い切れない▼観客は鼻面をひきまわされているうち、マッジドが強引に施設に連れて行かれるジョルジュの回想があり、そのあと楽しげなキャンパス・ライフにシーンは一転。ジョルジュの息子とマッジドの息子がコンタクトをとっていたことが判明する。犯人は息子二人の結託か、父親マッジドの人生を台なしにされた息子が復讐のため、相手の息子を脅迫してビデオをとらせたりしたのか、どっちにせよマッジドは死に損である。しかしジョルジュも子供の頃からいい中年の現在まで、ズーッと消えてくれないやましさひきずって生きてきたわけですね。これって同情すべきなの? 知らん。任せるわ。

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