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エンタメ

2012年3月15日

L.A.コンフィデンシャル (1997年 サスペンス映画)

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監督 カーティス・ハンソン
出演 ラッセル・クロウ/ケヴィン・スペイシー/ガイ・ピアース/キム・ベイジンガ

乾いた叙情

 主演の三者三様の住み分けがまずいい。幼いころ母が父に殴打殺害された過去をもち、女に暴力をふるう男を許せない、直情径行の熱血漢バド(R・クロウ)。新聞記者に情報を流して裏金を取る刑事ジャック(K・スペイシー)。出世のためなら仲間も売る切れ者エド(G・ピアース)。そこにからむのが警察幹部のダドリー(J・クロムウェル)と娼婦リン(K・ベイジンガ)。無名だったクロウを抜擢し、素通りできないキャスティングで脇を固めたハンソン監督だ▼1950年代のロス。血なまぐさい暗黒街の闘争をドキュメント風にスタートさせ「それからどうなる」観客が身を乗り出すのを見計らって、本筋のディテールが導入される。マフィアの跡目を争うダウンタウンの、コーヒーショップで男女6人が惨殺された。事件の背後に「白ユリの館」という売春組織が浮かび上がる。三人の刑事は、それぞれアクは強いが腕は一級だ。反発・無視・蔑視、しかし力を合わせるところは合わせて、真相に近づいていく。このプロセスは仕事ができる男の男臭さがぷんぷん。ヘタなハウツーよりいい映画を見よってとこか▼リンは自分を一人の女として接してくれるバドに惹かれ、エドは捜査中リンを暴行し、あげくレイプの証拠写真を撮られる。情報屋からネタを仕入れたジャックは事件のからくりに気づく。しかし真犯人が上手だった。発砲されたジャックが息をひきとる間際「ロロ・トマシー」つぶやいた一言が、エドとバドに解決の糸口を与えた▼脇役のJ・クロムウェルは、名前は覚えられなくても、2メートルの長身と、その顔の長さで一目見たら忘れられない役者だ。父が映画監督、母親が女優という映画一家に生まれ「パトリオット・ゲーム」「蜘蛛女」などに出演、しかしなんといっても脚光を浴びたのは、無口な牧場主を演じオスカー助演賞候補となった「ベイプ」だ(思い出してくれた?)▼三人の刑事はやはり三者三様の結末に至る。一人は殉職、一人は辞職、一人は署内きってのエリートコースに乗る。表彰を受けたエドをリンが祝福にくる。バドは死んじゃったのか。カメラはズーッと引いてきて、車の中、包帯ぐるぐるまきでリンを待つバドを映す。「あなたは出世を選び、バドは元娼婦と暮らすためアリゾナ(リンの故郷)へ」そう言うリンを、エドはまぶしそうに聞く。エドとバドは車窓越しに握手。いろいろあったけどお互い頑張ろうぜ、達者で暮らせ。ハンソン監督は、カラッとした叙情の風が、サーッと吹きぬけるようなラストを映します。

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