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シネマ365日

2012年3月16日

スタア誕生 (1937年 ヒューマン映画)

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監督 ウィリアム・A・ウェルマン
出演 ジャネット・ゲイナー/フレデリック・マーチ

夢の実現には犠牲を払うものよ 

 「スタア誕生」の最初の映画化が1937年。続いて1954年。さらに1976年。4度目がクリント・イーストウッド監督で進んでいる。この映画は本来ミュージカルだ。クリントは女性以外にも何でも手をだすのか▼いやいや、それくらいアメリカ人はこの映画が好きなのだろう。サクセスを縦軸に、夫婦の愛と悲劇を横軸に物語は展開する。初めての公開から75年というのは、映画産業が始まってほぼ100年という映画史を思えば半端な昔ではないが、いま見ても充分見応えのある傑作だ。主演のジャネット・ゲイナーはこの「スタア誕生」でオスカー候補になっているが、じつをいえば彼女は第1回オスカー(1928)主演女優賞の受賞者である。22歳だった。浮き沈みの激しいハリウッドで、70歳すぎまで舞台「ハロルドとモード」の主演を演じた大女優だ▼スターをめざしハリウッドにでてきた娘(J・ゲイナー)は、大スター、ノーマン・ゲイナン(F・マーチ)に出会い女優開眼、成功の道を歩むが酒のトラブルばかり起こすノーマンは、次第に関係者から見放され人気凋落、さらに酒に溺れる。人気女優ベッキーとしてオスカーを取るまでになった妻は、そんな夫をみて引退を決意。成功を棄て夫婦で静かに暮らす生活を選ぶが、それを知ったノーマンは、自分が妻の将来を阻害しているという自責から入水する▼ドン底にたたきつけられたベッキーは屋敷をひきはらい、田舎に帰る汽車に乗ろうとしていた。そこへやってきたのが彼女の祖母。家族でただひとり孫娘の成功を信じ、葬式金をはたいて送り出してくれたおばあちゃんだ。本作が4回も映画化されるのは、このおばあちゃんのこの台詞に、アメリカ人はノックアウトされるからだ。紹介しよう▼「荒野はどこにでもある。わたしはお前にそう言った。夢を実現するには犠牲を払うものよ。お前は名声も成功も自分のものにした。そして大きな不幸も。それは覚悟していたはず。それなのにメソメソしている。私があげたお金は無駄だったわね。お前は私の誇りと生きる歓びだった」ベッキー「強くなりたいけど私には無理なの」おばあちゃん「悲劇は勇気をだして乗り越えるの。乗り越えられれば強くなる。ノーマンも今のお前を誇りには思えないわ。すべての愛を捧げた女が弱虫になってしまったのだから」メイド「奥様、車の用意ができました。汽車の時刻です」ベッキー、沈黙のあときっぱりと「車を(車庫に)戻して」▼クリントはどう仕立て直すのだろう。楽しみだ。

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