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シネマ365日

2012年3月18日

スイミングプール (2003年 不条理映画)

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監督 フランソワ・オゾン
出演 シャーロット・ランプリング/リュディヴィーヌ・サニエ

スイミングプール殺人事件 

 字義通りの不条理というより、サスペンス・心理劇といったほうがいいかもしれない。どこまでが回想で、どこからが現実なのか、明光あふれる静寂な南仏別荘地を舞台に、混沌かつエロティックな迷宮が織りなされるのだ。D・リンチ、ミヒャエル・ハネケ、そしてフランソワ・オゾンっていう監督は、妄想大好き怪人三兄弟か。主演がこれまたオゾン監督の「まぼろし」に続くシャーロット・ランプリング。彼女の透き通るような個性に、かくもぴったりな役とストーリーがよく作れるものだ。ランプリングは「愛の肉体」でもシュールなヒロインを演じていましたね▼マンネリ気味の推理作家サラ(C・ランプリング)は出版社の社長ジョンにかれがひとつも親身になってくれないとイヤミをいっている。当然二人は関係がある。ジョンは南仏の別荘で休養がてら新作執筆はどうかとすすめる。サラはやってくるが、何の前触れもなくジョンの娘ジュリーが闖入し男は連れ込む、派手にセックスにふける、サラは静寂と神経をかきみだされ執筆どころではない。ジュリーの奔放なふるまいはしかし、サラのインスピレーションを刺激し、サラは作家としてジュリーの一挙手一投足を観察しているうち、ジュリーに友人のような感情をだく▼ジュリーは恋愛沙汰から若い男をプールサイドで殺害する。サラの小説のために殺したのだとジュリー。サラはジュリーをせきたて、庭に男を埋める。翌日庭番が掘り起こした地面を不審気にみていた。サラは注意をそらすため、あろうことか庭番を誘惑しジュリーの犯罪をかばうのだ。ジュリーは別荘を去る。母親が残し、父ジョンに否定されたという小説の草稿をサラに残して▼サラはロンドンにもどった。完成させた小説をみせるがジョンは乗り気ではない。それをみてとったサラは、すでに別の出版社で刷り上げた本を見せ、自分の最高傑作だと自負する。うろたえるジョンを尻目に、出版社を出るサラと若い娘がすれちがう。あれはだれかと尋ねるとジョンの娘だというが、それはジュリーと別人だと観客は知らされる▼ハッキリいわせてもらうが、観客が見てきた、やれ殺人だ、娘の身の上だ、庭番の誘惑だ、母親の遺稿だ、これって全部サラの小説の構想の中身だったってこと、だよね。つまりスイミングプール殺人事件は、サラのイマジンのなかの現実だった。ホント立派に手がこんでいるわ。この三兄弟の映画、疲れるウ。 

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