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シネマ365日

2012年3月27日

シザーハンズ (1990年 ファンタジー映画)

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監督 ティム・バートン
出演 ジョニー・デップ/ウィノナ・ライダー/ダイアン・スウィート

幻想的リリシズム 

 ジョニデとバートン監督の記念すべき第一作だ。ジョニデはよほどこの作品が気にいったらしく、今でも続編をとりたいと言っている。ひとつ間違えばゴシック的ホラーになってしまった怪奇物語を、ファンタジーに仕上げたのは、バートン監督のきわめてアニメ的な演出とセンスだ▼人造人間エドワード(J・デップ)は、城に一人住む、孤独な老発明家によって造られるが、彼はエドワードの両手をハサミのままにして死んでしまった。エドワードは城に「シザーハンズ」のまま取り残される。ある日化粧品を売りにきたペグ(D・スウィート)は、応対に出たエドワードの両手をみて「まあ、かわいそうに」やさしい彼女はシザーハンズのままのエドを家に連れて帰る▼エドは自由自在に動く「はさみ」の両手を使って、植木を刈込んで、芸術的な庭に模様替えするかと思うと、ペットの毛を刈って、あるいは美容院でおばさんたちの好奇心の的になり、たちまち町の人気者だ。エドはペグの娘キム(ウィノナ・ライダー)に恋心を抱く。しかし人造人間と生身の人間の悲しさ、町の人々の態度や、誤解や中傷に傷ついたエドは城に閉じこもる▼そして年に一回クリスマスの夜に、エドはやさしかったペグ一家に、自分が変わらぬ心で彼らを愛していることを知らせる、それは城から町へ雪を降らせることだった。その雪はエドが氷を削って細かくスライスした雪なのだ。町を見下ろす城の窓に立って、シザーハンズを縦横にふるいエドが氷を削ると、美しい雪片が無限に町に降り注ぐ。無垢なエドの心を映すホワイト・クリスマスは幻想的だ▼バートン監督の想像力が美しいものばかり創りだすとは限らないのは、「マーズアタック」の邪悪な火星人の攻撃によく現れているが、しかし最後は火星人の破壊脳を狂わせるものが、少年とお祖母ちゃんの音楽だったというところがバートンらしかった。エドが代表するマイノリティな存在が幸福の鍵を握るというテーマは、バートン監督のバックボーンにあり、それは姿を変えて(少年と祖母のように)彼の作品に繰り返し登場する▼本作のときジョニデは27歳。バートン監督は32歳。キャスティングとは性格描写だとヒッチコックが言っているが、ういういしさの残るジョニデや、しっかり者のお母さん像のダイアンといい、ファンタジーにふさわしいキャスティングでした。

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