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コラム

2011年8月1日

湖国の名湯のにぎわい再び

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佐藤祐子さん
おごと温泉 びわ湖花街道 代表取締役社長 女将

地域のチカラで歴史ある温泉街を再興

長引く不況で全国の温泉街が苦戦している中、活況を呈しているのが、滋賀県大津市のおごと温泉だ。平成22年度には過去最高の来客数を記録した同温泉でも、「びわ湖花街道」は和と洋が融合した雰囲気が好評で、女性を中心にリピーターが増え続けている。
宿の女将として、にこやかに来館者をもてなす佐藤祐子さんは、前身の「国華荘」から数えて三代目の社長。幼い頃から家業が大好きで、「跡を継ぐことが当然」(佐藤さん)と考えていたが、これまでの道程は決して平坦なものではなかった。 
佐藤さんが経営に携わるようになった90年代前半は、バブル経済が崩壊し、全国の温泉街で経営難が深刻化したころ。おごと温泉も例外ではなく、危機感を募らせた旅館の若手経営者らは「雄琴青経塾」を結成し、現状を打開するための話し合いを重ねた。
当時、おごと温泉といえば男性向けの歓楽街の印象が強く、話し合いでは「家族客を呼び込むためには歓楽街はいらない」との強硬な意見も飛び出した。だが、佐藤さんらが最終的に打ち出した方針は、1200年の歴史ある名湯と京都からJRで20分という利便性を全面に押し出す、「原点回帰」といえるものだった。

運動・温浴・食事「運浴食(うんよくしょく)す」でおもてなし

「まず、おごとが由緒正しい温泉であることを知ってもらおう」。佐藤さんらの目に留まったのは、改装直後のJR京都駅。構内の大階段を初めて広報活動の場として使い、駅の利用者にカモ鍋をふるまった。
「街のイメージアップは玄関口から」と、JR雄琴駅の名を「おごと温泉駅」に改めるため署名活動も行った。地域住民の協力もあり、約3万人の署名によって駅名は08年に改められた。
地区内の10軒の旅館は、それぞれ個性的な特徴を打ち出した。「びわ湖花街道」では、着崩れせず着心地の良い本仕立ての浴衣など、女性客を対象にしたサービスが好評だ。
「これまでの取り組みで、おごと温泉の認知度は飛躍的に高まった」と話す佐藤さんの次の目標は、「おごと温泉での楽しい過ごし方を提案すること」。そのため全身を使った歩行法・ノルディックウォークと入浴・食事をセットにした「おごと温泉アクティブヘルスツーリズム」を提唱する他、観光公園・足湯などの整備を地域一丸となって進めている。
「旅館同士が競合するだけでなく、必要な情報を共有し、共存共栄で地域を発展させていきたい」。湖面のように澄んだ瞳で、佐藤さんはおごと温泉の未来を真っ直ぐ見つめている。

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