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シネマ365日

2012年4月18日

ロング・グッドバイ (1974年 ミステリー映画)

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監督 ロバート・アルトマン
出演 エリオット・グールド/ニーナ・ヴァン・バラント/デイビッド・アーキン

許せないことは許さない男

 ロバート・アルトマン監督は決して肩をいからさない。遺作となった「今宵、フィッツジェラルド劇場で」はもちろん、戦争を笑いのめした「マッシュ」なんか、彼のブラック性が沸騰していた。「ロング・グッドバイ」もそう。ふしだらな情欲と金とセックスに溺れ、とことん堕落してしまった男と女の物語はこんなに淡白で、感傷的な夜のロスアンゼルスの一画から始まるのだ▼ベッドで白いワイシャツを着たまま、靴をはいてうたたねしていたマーロウ(エリオット・グールド)は腹が減ったと起こしにきた猫にせがまれ、夜中の三時に深夜スーパーへ猫缶を買いに行く。折角かってきた猫缶が気に入らないとプイと猫は出ていった。かわりにやってきたのは友達のハリー(デイビッド・アーキン)だ。夫婦喧嘩をして追い出された、メキシコにいくから送ってくれ。マーロウは親友のことゆえ気安く引き受ける。アパートに帰るとコワモテの刑事が二人、ハリーの妻が殺されただと。ここから観客は引きずり回される。マーロウは警察にしょっぴかれ、3日間拘束されいきなり釈放される。理由はハリーが自殺をとげ事件は解決したという。わけのわからない出来事が意味不明のまま連なるのだ▼ハリーの近所の金持ちの奥さんアイリーンから有名な作家である夫捜索の依頼がきた、引き受けた、夫はアル中で病院にいた、家に連れ戻した、めでたし…とアパートに帰ると見も知らぬギャングらが踏み込んできて脅しつけ、家中を荒らしまわり捨て台詞を吐いて出ていく。あとをつけるとアイリーンの家にギャングの頭目は入って行った▼翌日アイリーンの家を訪問したらパーティーを開いていて、そこへ病院の院長が夫に「金を返せ」と請求にくる。何の金だ? もちろん観客にはわからない。夫は院長も招待客も追い返す。パーティーはぶちこわし。マーロウが傷心のアイリーンをなぐさめていると、夫はふらふらと夜の海に入り波にのまれ死んでしまう▼彼はメキシコにきた。つきとめた家には、自殺したはずのハリーが悠々自適で暮らしている。どうしておれを裏切ったと聞くマーロウに「そのための友達だろ」ハリーはうそぶく。マーロウは「まあいいか」が口癖のかなりいい加減なやつだが、こういう舐められ方をして黙っている男ではない。ものもいわず射殺する。おもちゃのハモニカを吹きながら帰るマーロウと、車でハリーのもとに急ぐアイリーンが田舎道ですれちがう。マーロウは声もかけない。クレジットされていませんがギャングの一味に27歳のシュワちゃんがまじっています。いまやハリウッドの伝説となった「ターミネーター」はこの10年後です。

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