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コラム

2011年8月1日

阿倍野筋の路地裏で38年目の珈琲店

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珈琲店力雀(ちからすずめ)
店主・雀さん

カウンターは生き物。お客様に大切にされ育ててもらったと感謝

天王寺駅から阿倍野筋を南へ約10分、細い路地裏に佇む珈琲店力雀(ちからすずめ)。通称雀さんがもてなす、カウンターのみ7席の店が38年目を迎えた。3代目愛猫ミミィーに守られているという、個性際立つ女性店主にお話を伺った。

1974年に「珈琲店 雀(すずめ)」は開店し、1990年に店名を「珈琲店 力雀(ちからすずめ)」変更した。面識のなかった音楽評論家・湯川れい子さんから著書「幸福へのパラダイム」を贈呈されたことが切っ掛けという。ノンフィクション部門で文化大賞をとったこの本の登場人物・東京高輪在住の高橋秀齊氏から、新しい店名「力雀」を受け取り、不思議なご縁で小さなパワースポットの空間が生まれた。

開店当初、店内にはハードロックが流れ、溢れるほど若者が集まった。「お客様に大切にされて育ててもらった。たくさんの協力と支えがあって働き続けることができました」と感謝している。若者によって始められた「雀ノート」には歴代のお客様の思いが綴られ、現在の「力雀ノート」は164号。「このノートは現代の社会現象の一部の資料として残したい宝物。永久保存版です。最後はどうなるのでしょう。良い知恵を貸してほしい」と雀さん。

カウンター越しのポートレート撮影は、35年ほど前、この空間で何ができるか若者との話し合いから始まった。日大写真科の学生に暗室作業を、後に大阪芸術写真科の学生にフィルム現像を教えてもらい、何千人ものお客様の参加と協力があって現在に至る。自宅でフィルムを現像し暗室作業で出来た写真を、次に来店した本人に手渡すのが嬉しい。でも「必ず取りに来るといって、こない人がいるのが残念」すべて保管しているのでぜひ取りにきてほしいとも。

2011年4月のコーヒー豆の原価の値上げに伴い値上げしたというブレンド珈琲は400円。挽き立ての豆が馥郁と香る。注文があればバターとイチゴジャムのトーストを提供してくれる。
2007年仕入れの帰りに交通事故に遭い、頚椎にダメージを負ってしまった。変わらずカウンターに立つが歩行が困難になり、しびれも残る。最も困難なのが排尿障害でトイレが近くなったこと。一日に何度も店に鍵をかけ2階のトイレにいかなくてはならないが、変わらずカウンターに立つ。
「沢山の若者に出会い、店は生き残りました。ありがとうございます。カウンターは生き物で一期一会の世界。カウンターの雰囲気は、その時代、その瞬間のお客様が創られるもの。楽しみです」と雀さん。

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