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2012年4月11日

夜間学級の教壇から  ―岸和田市立岸城中学校(1)―

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岸和田市野田町
岸和田市立岸城中学校

「学ぶ権利」を奪われた人たちに、「学ぶ場」を

 新学期がスタートして半年。進学、進級した学生たちは新たな環境に戸惑いながらも楽しい時間を過ごしているだろう。
 しかし、「学ぶ」という当たり前の権利を奪われ、義務教育を受けられなかった人は、年配者を中心に少なくない。戦争のため、貧困のため…理由は様々だが、いずれにしても学ぶ権利をはく奪され、そのまま義務教育を受けられる満15歳を過ぎ、学校に行けなかった事実を隠しながらの生活を余儀なくされている。

 そういった人たちに学びの場を提供しているのが、公立中学校で行われている夜間学級。全国では35校あり、大阪府下では11校の公立中学校で行われている。そのうちの1校、岸和田市立岸城中学校で夜間学級の教頭を昨年度まで勤めた花田先生に話を聞いた。

 「岸城中学校では昭和28年、様々な事情で昼の学校に来られない子たちに対し、当時の先生たちがボランティアとして夜間授業を始めました。当時は戦争で学校に行けなかったり、働き手として農作業などを手伝わされたため学校に通えなかった若者が多かったんですね。そういった人たちから要望を受けて、活動を始めたんです」。その後、昭和44年に大阪府教育委員会から認可を受け岸城中学校夜間学級となり、昭和47年には夜間学級専属の教員も配属され始める。現在、職員は昼夜兼任の校長も含め15名。専任教諭は教頭も含めて7名いる。あとは非常勤講師だ。
 「学習内容は昼の中学校と同じで、国語・数学・理科・社会・英語・音楽・美術・保健体育・技術家庭の9科目。他の夜間学級と合同で運動会なども行います」。遠足もあり、内容は昼の中学校と変わらない。ただ、学習時間が日中の学校よりもとれないため、6年間は在籍可能だ。「小学校を卒業していない方の場合、学ぶ内容が小学校低学年からになる場合もありますから、もう3年間追加して最長9年間学ぶことができます」。文字が書けない、読めないという事実をひた隠しにして生きてきた人が、文字が書けるようになり、新聞が少し読めるようになる。そういった感動を報告する生徒も多いのだそうだ。教員のひとりは「今まで不登校気味だった孫から『おばあちゃん、一緒に頑張ろう』と声をかけられ、学んでいる方もいます。質問なども積極的にされてきますし、意識が高いですよね」。

2へ続く


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夜間学級の教壇から ―岸和田市立岸城中学校(2)―
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