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シネマ365日

2012年5月13日

ハンナ (2011年 アクション映画)

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監督 ジョー・ライト
出演 シアーシャ・ローナン/ケイト・ブランシェット/エリック・バナ

北欧の暗い妖精

 もし「ハンナ」がシリーズ化されるなら、アンジーやジョコビッチとはまったくタイプのちがうアクション女優の出現になるだろう。シアーシャは強くもたくましくもない16歳の少女だ。年齢的にいつまで「少女」がもつかわからないが、プラチナブランドの透き通った肌や眉のない顔は、北欧の暗い妖精のよう。いい持ち味になるでしょうね▼ハンナ(シアーシャ・ローナン)は遺伝子操作で生まれた殺人マシーンだ。北極圏に近いフィンランドで元CIA捜査官の父から、一般教養を含めた語学と戦闘術を学ぶ。最強の兵器を訓練していくところは「ニキータ」ふうだが、なにしろ16歳まで電気もないツンドラで暮らし、世間に出たことがないから音楽も聞いたことがない。純粋培養である。彼女が氷原を出ていく目的は、CIA捜査官マリッサ(ケイト・ブランシェット)を殺すこと▼「エリザベス」や「ロビンフッド」「ヴェロニカ・ゲリン」とか硬派な役柄が多かった彼女が血も涙もない悪役を演じる。彼女とハンナが殺し合いに至る原因は、ハンナの母をマリッサが殺したことだろうが、そんな怨恨話でCIAが組織ぐるみで追跡するか? このへんがちょっと消化不良なのだ。ハンナの全力疾走は、よく練習したのでしょうね、さまになっていました。ひきかえケイトはちょっと動きが重かったな。鏡に向かい歯を剥きだして、血がでるまで歯茎を磨くあの迫力に「走り」の方は負けている▼ライト監督とシアーシャは「つぐない」につづく二作目のコンビ。「プライドと偏見」とか「路上のソリスト」とか、どっちかというと文芸辛口路線できたライト監督が、暗殺者のアクションものとは、ちょっと勝手のちがったところもあるが、スクリーンから流れてくる北極の、あるいはモロッコの空気とか風とか熱とかの引き締まった映像はやはり一級です。蛇足かもしれないけど音楽はケミカル・ブラザーズです。

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