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シネマ365日

2012年5月23日

サイレンサー (2005年 サスペンス映画)

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監督 リー・ダニエルズ
出演 キューバ・グッティング・ジュニア/ヘレン・ミレン

ヘレン・ミレンの叙情

 ローズ(ヘレン・ミレン)とマイキー(キューバ・グッティング・ジュニア)はペアを組んで殺しを請け負ってきた。マイキーの母は父親のDVで殺され、マイキーも父の虐待を受けていた。父親を射殺してマイキーを助けたのがローズだ。ローズはマイキーの殺しの師匠であり、育ての母であり、セックスパートナーであり、一心同体である(同じような設定が小島剛夕の劇画にあったような気がするが)▼ローズは末期ガンで死期が近い。マイキーをおいていくのが気がかりだ。「一人で生きていく術は教わった」とマイキーは悲しみをこらえ、ジタバタしないが、ローズの余生を静かな場所でいっしょに過ごしたいと仕事を引き受ける。標的は依頼人の妻ヴィッキー。彼女は身重の臨月で、ローズたちの襲撃をうけショックで破水してしまう。ローズは放っておけずマイキーの制止も聞かずお産を手伝い、無事男の子が産まれた▼依頼人には任務を果たしたとウソをつき、ヴィッキーと子供をかくまい数年を無事に暮らす。ローズは自分の死後もヴィッキー親子を守るようにマイキーに約束させ、最後の交情でマイキーはローズを射殺、埋葬する。二人が抱きあう場所は戸外のお花畑だ。殺し屋も人の子、年が離れていても男と女、ロマンティックでどこが悪いって感じですね▼マイキーらに妻の殺しを依頼した冷酷なギャングのボス・クレイトンが妻と息子の居場所をつきとめ、会いたかった、と涙ぐむかと思うと殺してやると、どこまでもクレージーなやつで、マイキーの小指ははさみでちょん切る、殴る、蹴る、狼藉の限りを尽くしているとズドン、背後から一発。息子が小さな手に銃をにぎりしめ、おやじの背中めがけて発砲したのだ▼このときの子役の顔がけっこうホラーだ。殺しの系譜がしっかり受け継がれているのです。どこにも幸福感がないままここまできて、最後にやっと三人がいっしょに暮らしていけそうな雰囲気がただよう。そこへ、またトラブルがおこったらという母親に、小さな息子が「殺せばいい」なんてポソリというところでエンドなのですよ。監督がヘタな同情なしに突き放しているから「サイレンサー」は乾いた仕上がりになったのでしょうね。それに、やっぱりヘレン・ミレンの演技にそこはかとない叙情がある。彼女は映画で途中退場しますが、最後までやらせればよかったのに。

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