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スポーツ

2012年5月28日

泳ぎも生き方も「自分らしく」。パラリンピック目指す ―生長奈緒美さん(41歳)―

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生長奈緒美
大阪およごう会 所属

北京で入賞、ロンドンでは最高の泳ぎを

 生長奈緒美さんは、部活などを通じて中学から短大までクラリネットを演奏し、現在は大阪府立視覚支援学校の非常勤講師として音楽を教えている。「小さいころから音楽をやっていたんです」と笑顔で話す生長さんには、もうひとつの顔がある。パラリンピックにも出場経験があるアスリートとしての顔だ。
 生長さんは生まれつき、視力が弱かった。「先天性の緑内障で、弱視でした」。24歳で完全に視力を失い、現在は「光(の動き)を見えるくらいですね」。子供の頃から体育の授業は見学。「体を動かすのが好きな子なのに体育ができなかったんですよ」。ボールが見えにくく球技は難しい。ただ、水泳は目が見えなくてもできる。「子供の頃から得意でした」。 では、スクールなどに通われていた?
 「いえ、通っていたわけではありません」。それどころか、スポーツは特にしていなかったそうだ。「30歳になって、目が見えなくてもできるスポーツがあると知りまして」。それで水泳を?「始めはサウンドテーブルテニスという、視覚障害者が行う卓球をしてました」。2年程、同種目を練習。大阪府の大会に出てみようと申し込みに行った際に、転機が訪れる。

 「他にもたくさん種目があると知り、それじゃあ水泳(クロール)に出てみようかなって」。それから練習し、大会へ。「そこで、全国大会の府代表に選ばれました」。その全国大会で、見事に優勝。大会新記録を叩きだした。「選手人口が少ないですから」と謙遜するが、いきなり出場してこの結果は、水泳経験者である記者から見て、ただ凄いとしか言いようがない。50m自由形(クロール)自己ベストタイム・32秒54も、30代から始めたとは思えない。天性と努力の賜物だろう。

 「水泳をやってきて嬉しかったことはいっぱいありますが、体はもちろん、心も成長できる、自分自身を磨ける場所を見つけたことですね。それに、たくさんの仲間と出会えたことです!」。競技生活9年目。41歳になり「若い選手も出てきていますから、短い距離よりも長い距離で(勝負しよう)と考えています」。とはいえ、昨年の全国障害者スポーツ大会水泳競技では50m自由形で大会新記録を樹立。年代別の記録だが、まだまだ衰えは感じられない。
 「北京のパラリンピックでは50m自由形で5位、100mでは9位で決勝に進出できませんでした。ロンドンの候補は6月初旬に決まるので、まだどうなるかわかりませんが、もし(代表に)決まったら、自己ベストを出して、最高の泳ぎをしたいです!」。

 好きな言葉は『自分らしく』。インタビュー中も笑顔が絶えなかった生長さん。今度はぜひ、その笑顔を表彰台で見たいと、強く感じた。

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