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2012年7月19日

昭和初期開設の「鍋屋の交番」が奈良市観光の新たな拠点に

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奈良県奈良市半田横町
旧鍋屋交番きたまち案内所

奈良きたまちに興味と愛着を抱く市民サポーター「駐在さん」が訪れた方をおもてなし

 奈良女子大学(奈良市魚屋東町)の正門前にある旧奈良警察署鍋屋連絡所は、多くの観光スポットや歴史遺産がある奈良きたまち(近鉄奈良駅北側)の玄関口にあたります。当初、鍋屋町にあった「鍋屋巡査派出所」が昭和3年に現在地に移転し、建物は新しく造られました。移転後も「鍋屋の交番」と愛着を込めて呼ばれてきたこの建物は、平成16年度末をもって閉鎖されていましたが、このほど「旧鍋屋交番きたまち案内所」としてリニューアルオープンしました。

 鍋屋の交番は閉鎖後、一時は取り壊しも計画されましたが、地元自治会長や住民・奈良女子大学の教授らが中心になり、平成21年2月、「鍋屋連絡所の保存・活用と“奈良きたまち”のまちづくりを考える会」(通称/なべかつ)が結成されました。その後、奈良市と協議を重ねた結果、地域の観光振興と地元住民の活動拠点、大学の研究・教育施設として生まれ変わることが決まりました。
 淡い桜色の外壁と緑と赤のツートンカラーの屋根が印象的な建物は、昭和30年代当時のたたずまいを再現しており、創建時に意識したとみられる奈良女子大学記念館の外観とも調和しています。館内には観光資料などを常設しているほか、「駐在さん」と呼ばれるボランティアがガイド役を務めています。

 地元で生まれ育ち、建物の希少価値を訴えて平成8年から調査に関わってきた設計士の増田明彦さんは、取り壊しの計画を聞いた当時、「大きな喪失感と危機感を抱いた」と話します。保存と活用に向けて官民学が一体となって協力した結果、再生されることが決まった鍋屋の交番は、「とても幸運な建物」と笑顔を浮かべます。
 また、なべかつの事務局員で、地区内で雑貨店を協同経営する新井シノブさんは、駐在さんを「ありきたりの観光ガイドではない」と言います。駐在さんを“きたまちに興味と愛着を抱く市民サポーター”と位置づける新井さんは、「観光案内所での活動や交流を通じて、まちに活気が生まれれば」と期待を寄せています。