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特集「どんでん返し」

2012年8月12日

特集「どんでん返し」 テキサスの五人の仲間 (1966年 西部劇映画)

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監督 フィルダー・クック
出演 ヘンリー・フォンダ/ジョアン・ウッドワード/ケヴィン・マッカーシー/ジェーソン・ロバーツ

傑作「五人の仲間」

 なんでもいいからよけいなことを考えたくない、わかりやすく楽しい映画でもみて気分をよくしよう、という気になることが人にはあるにちがいない。といってあまり幼稚な映画は見る気がしない。マンガも願い下げる。ゾンビも要らん。CGばかりで現実感のないアクションも苦々しい。ベッドシーンで上映時間をかせぐ詐欺みたいな映画も消えろ。しつこいラブシーン? ほかに芸がないのか。大人の鑑賞に耐えて内容がしっかりし、七面倒臭いことをくどくどいわず、見終わったら「やられたなー」と笑いとばす映画▼ところがなかなかないのだな、これが。名作かもしれないし、大作かもしれないし問題作かもしれないが、気分がよけい陰気くさくなったり、後味が悪かったり、主人公の苦悩がアホらしくみえたり、われわれ庶民が笑ってすましている、あえて見てみぬふりをしてやりすごそうとしている過酷な現実を、不必要なまでに過剰なドラマにしていたり、警官なのに銃の扱いがヘタだったり、長年主婦をやっているはずのヒロインの、スパゲティのゆでかたが噴飯物だったり▼そういうかなりの小言幸兵衛を自負する方でも「テキサスの五人の仲間」だとどうだろう、と思うのである。年に一度開かれるポーカー大会に、一年間の収入をそっくり賭けて大勝負する「テキサスの五人」が集まる。裁判を途中で放り出して駆けつけた弁護士(ケヴィン・マッカーシー)、娘の結婚式を中断して参加したドラモンド(ジェーソン・ロバーツ)、牛飼いのビュフォード、金持ちの葬儀屋らだ。白熱した試合の展開中、旅の一家がホテルに立ち寄る。テキサスの荒くれ男どもが集まる酒場に、場違いなレディと家族連れがきたものだから、男たちは目を剥く。農園を買いにいくメレディス(ヘンリー・フォンダ)と妻メリー(ジョアン・ウッドワード)、息子のジャッキーだ。騒然としているホテル(酒場も兼ねる)の雰囲気にメレディスがわけをきくと年に一度のポーカー試合だという。目の色が変わったメレディスを、妻と息子が強くたしなめる様子に、まわりの男どもは興味しんしん▼メレディスはカード中毒で身上をスッテンテンにし、カードを断ち貯めた金で新天地をめざす途上だった。妻が鍛冶屋で馬車の修繕を頼んでいるあいだにメレディスはまんまとカードの席に入り込んでしまう。つぎこんだ金が農場を買うはずの4000ドル。メリーに気がある弁護士はなにくれと味方になるが、肝心のメレディスが心臓発作で倒れてしまった。勝負はどうなる。差別発言を浴びせられながらメリーは夫の代わりに勝負を張る。でも金がない。彼女は銀行にいき札を担保に借金を申し込む。銀行の頭取は札の手をみてメリーに賭ける。その場で5000ドルの融資を決め、どんどん賭け金をつりあげる。さすがの五人組も札を投げた▼「テキサスの五人の仲間」という邦題は古くは「望郷」最近では「白いカラス」クラスの傑作である。最後までみたらこの「五人の仲間」の本当の意味がわかる。二枚目で「アメリカの良心」的役柄が多いヘンリー・フォンダが、脂汗をにじませながら気の弱いカード中毒症の夫を演じ、夫を見守る良妻賢母にジョアン・ウッドワード。彼女はすでにポール・ニューマンと結婚していて、この3年後夫のメガホンによる「レーチェル・レーチェル」でオスカー主演女優賞をとる。輪郭のはっきりした知性的な容貌で好演し、テキサスの五人組は夫を思うメリーの勇気と献身に感動してしまった。弁護士と牛飼いはメリーの後ろ姿を見送りながら「お前、本当に立派な女性に出会ったことはあるか」「ある。一人だけ」なんてセリフをかわす。ポーカー勝負に女のでる幕はない、追い出せと女性蔑視も甚だしかった葬儀屋は「奥さん。あなたに会えて光栄でした」うやうやしく手にキスして去る▼倒れた夫は、とあるホテルの一室にいた。朴訥な田舎者ふうだった服装とからキンキラキンのボードビリアンみたいなジャケットに変わっている。息子は一心不乱にお金を勘定している。銀行の頭取にメレディスを診断した医師にメリー。あわせて「五人」がなんでここに集合しているのだ…ここから先は、さあ笑い飛ばしましょう。

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