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特集「どんでん返し」

2012年8月14日

特集「どんでん返し」 ステップフォード・ワイフ (2004年 サスペンス映画)

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監督 フランク・オズ
出演 ニコル・キッドマン/マシュー・ブロデリック/ベット・ミドラー/グレン・クローズ/クリストファ・ウォーケン

センスのいい怪奇サスペンス

 原作がアイラ・レヴィン。寡作ではあったけど映画化された有名な作品に「ローズマリーの赤ちゃん」や「硝子の塔」古くは「死の接吻」があります。「ステップフォード・ワイフ」は謎解き、サスペンスではありますが探偵ものでもないし、銃撃戦もない、奇抜というよりセンスのいい怪奇、というほうが近いのでは、と思います。本作は1975年映画化された「ステップフォードの妻たち」のリメイクで、レヴィンが得意とする都会的(ニューヨークとかマンハッタンとかの)感覚が生きいきしています▼ジョアンナ(ニコル・キッドマン)は視聴率ナンバー1をもたらす敏腕のテレビ・プロデューサー。大都会の厳しい競争を勝ち抜いてきたパワフルな女性だ。しかし過激な番組製作のあおりをくってジョアンナは降板・辞任。失意のドン底にいる妻をなぐさめようと、同じくテレビ局の副局長を務める夫ウォルター(マシュー・ブロデリック)も退職し、二人は穏やかな暮らしを求めて新天地に引っ越した。そこがコネティカット州のステップフォードだった。車から見る街並みは美しく、目を見張る豪邸が広い敷地にゆったりと建つ超高級住宅街。街ゆく女性のグラマラスな体型はふんだんにお金をかけてシェイプアップされ、磨き上げられている。たちまちウォルターはこの街が好きになる。ジョアンナはグーグー眠り詰めだったが▼住人たちで運営するクラブが二つあった。新住民は、男は「紳士クラブ」に女は「女性クラブ」に入会するのがふつうなのだそうだ。まあ、ハイソの自治会みたいなものかと、ジョアンナは集まりに参加してびっくりする。リーダー格のクレア(グレン・クローズ)が音頭をとってやっていることは、夫に慎ましく仕え、心身ともに魅力的な妻として、夫をサポートするための数々のプログラム。講習会、エステ、料理教室など、毎日がお遊戯めいたカルチャー教室の連続だ。ジョアンナは夫に疑問をぶつけるがウォルターの反応はあべこべ。彼は「紳士クラブ」の大歓迎にあい、彼らの自信たっぷりな高圧的な妻への対応に、いままでジョアンナの顔色をうかがいながらながら暮らしてきた自分がバカに思えてきた▼そのうちウォルターはクラブでしばしば「ジョアンナの様子は最近どうだい」と聞かれるようになる。とくにクレアの夫マイク(クリストファ・ウォーケン)はジョアンナにひとかたならぬ関心を示す。しかしジョアンナはここの妻たちがあまりに謙虚・素直・従順・夫最優先であることが不思議でならない。たまたま作家のボビー(ベット・ミトラー)とゲイの弁護士ロジャー(ロジャー・バート)が引っ越してきて、彼らもこの街の雰囲気がおかしいといいだし三人は意気投合する。独立記念日のパーティー。紳士クラブの会員の妻サラが発作を起こして倒れる。ジョアンナは助け起こそうとするがサラの夫はよそよそしく拒み、マイクは「心配ない」言ってだれも寄せ付けさせない。ボビーは「サラの耳から火花が飛んだ、あれはふつうの病気ではない」と断言した▼気になる三人組はサラの家を訪問した。だれもいる気配がない。玄関は開いていた。ひっそりした屋敷にはいりこんだ三人は、二階からきこえるサラのあえぎ声に気づき、やがてその声は耳を聾する絶叫に…サラは昼間から歓喜し夫を喜ばせているのか。ジョアンナがテーブルにあるリモコンを手にすると「SARA」とあった。サラが部屋から出てくる。あわててものかげに隠れた三人の目の前の階段をサラは降りてくる。ところがジョアンナの指があやまってリモコンのスイッチにふれたとたん、サラは昏倒してしまった。三人は屋敷を飛んで出る▼オズ監督はあわてません。とびきりの材料がそろったシチューをじっくり煮こむようにジョアンナ、ボビー、ロジャー、つまりステップフォードの「異邦人」三人組を通して異様な街の秘密をあばいていきます。ステップフォードの妻たちとは航空会社のCEOであり、大企業の経営者であり、医師や弁護士、斯界のナンバー1ばかりであることをジョアンナは突き止める。そういう彼女らがなにを好んで一日中ケーキをやき、料理講習会を開き、パーティーにウツツをぬかし、夫への性の奉仕に血道をあげるのか。とうとうボビーが、つづいてロジャーが魔の手にかかり、なんと夫のウォルターまでが人格を奪われてしまった。どうなるジョアンナ▼キー人物はクレアです。高名な遺伝子工学を専門とする医師である彼女が、なにゆえ夫マイクのちぎれた頭を抱いて死なねばならなかったのか。グレン・クローズの迫力が絵空事と思わせません。おもしろかったですよ。

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