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特集「どんでん返し」

2012年8月18日

特集「どんでん返し」 シェイド (2003年 クライム・サスペンス映画)

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監督 ダミアン・ニーマン
出演 シルベスタ・スタローン/ステュアート・タウンゼント/ガブリエル・バーン/ジェイミー・フォックス/メラニー・グリフィス/サンディ・ニュートン

火花散るいかさま勝負 

 筋肉を見せないシルベスタ・スタローンが意外と渋いです。彼が扮するのは…まあ順を追って言うとこういうわけ。ベテランのいかさま師、チャーリー(ガブリエル・バーン)とティファニー(サンディ・ニュートン)は、カードの天才と呼ばれるバーノン(ステュアート・タウンゼント)を仲間に引き入れ、カジノで荒稼ぎしたジェニングス(ジェイミー・フォックス)を罠にはめ、まんまと大金をせしめたが、その金がマフィアのボスに渡るはずのものだったことから窮地に陥る。ジェニングは殺され、ギャングに追われる身になった三人は、町で開催される最大のカード・イベントで伝説のギャンブラー、ディン(シルベスタ・スタローン)を倒し、一儲けすることを企む▼ポーカーの世界の筋金入りの詐欺師たち。ファーストシーンから挿入されるカードさばきからしてすでに魔術だ。たちまち観客ははまり込みますね。カードは心理戦だとベテラン詐欺師立ちはいう。勝つべくして勝つ。どんな賭けにも勝つためにはあらゆるイカサマを見破らねばならぬ。ギャンブルのなかでももっとも精神力を必要とされるのがカード・ゲーム。いくつかのシーンで演じられるスリリングな緊迫感。トランクにぎっしり現金を用意し、ホテルの部屋で黙々と独り、いかさまの手順を繰り返し、繰り返し練習しカードの感触を確認するスタローンの表情が、知性的でさえあります。シェイドとは「日陰、暗い部分、僅かな差異、ちょっとした違い」の「シェイド」ですね。この映画であてはまるのはどれだろう。それともほかに解釈があれば教えてください▼ディーンはトップの座を守っているが、いずれ次代のギャンブラーに追い落とされるときがくると知っている。ホテルで愛人のイブ(メラニー・グリフィス)に、この大勝負を終えたら足を洗うことを考えたいと打ち明ける。イブはディーンの引き際が大事だと思っている。彼女はこのホテルの経営者である。いつもはカジノをのぞきもしないが、ディーンが最後の勝負に臨むとあれば、見届けなければならない…バーノンの挑戦にディーンはどんな手を打つ▼勝負が始まった。2万ドルから5万ドル、5万ドルから10万ドル。どんどんせり上がる賭け金にテーブルを囲むギャンブラーは一人降り、二人降り、最後の残ったディーンとバーノンの真っ向勝負だ。押され気味のディーンにバーノンは強気の勝負をしかけ、ディーンは最後の巻き返しを狙ってすべてのチップをテーブルの中央に押しやる。有り金すべて賭けるのだ。バーノンはすでにカードにあるいかさまのタネを見破っている。勝利の微笑がバーノンに浮かぶ。勝負。バーノンの手札が開いた。ディーンがそれをみてつぶやく。シルのあの低い声で「考えていた。いつか負けるときがくると…でもそれは」ディーンはゆっくり自分のカードを開き「今じゃない」逆転だ。いつのまに。声を失ったバーノンにニンマリ。スタローンが肉厚の頬に浮かべる笑みが、か・ん・ろ・く▼ここまでがじつは前段なのです。「シェイド」の本番はこのあと。いまからみても贅沢なキャスティングですね。タウンゼントはシャーリーズ・セロンとロスで暮らしていました。二人の愛に教会や国家の承認は不要と、事実上の結婚宣言をし「イーオン・フラックス」でも共演したが2010年、9年間の交際にピリオドを打った。ガブリエル・バーンは派手な俳優ではありませんが、たとえば「ユージュアル・サスペクツ」の中心人物を演じるなど、しっかり脇を固める人。ジェイミー・フォックスはこのとき36歳。彼が「レイ」でオスカーを取るのは翌年です。メラニー・グリフィスの女優歴はいうまでもないですね。ティッピー・へドレンの娘というプレッシャーから逃れるため、クスリとセックスに走るなど、いろいろあったけど「ワーキング・ガール」でオスカーにノミネート、三度目の結婚はアントニオ・バンデラスでした。大きなお世話だけど、うまくいっているのかな▼最後はやっぱりシル。大根だとか、ラズベリー賞の常連だとか、マンガだとか、ワンパターンだとか、映画を楽しくさせる能がないやつにかぎってそんなこというのよ。ほっとこうね、シル、あなたは立派よ。

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