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特集「どんでん返し」

2012年8月20日

特集「どんでん返し」 ソードフィッシュ (2001年 サイバー・アクション映画)

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監督 ドミニク・セナ
出演 ジョン・トラボルタ/ヒュー・ジャックマン/ハル・ベリー

やっぱりトラだね 

 トラボルタに取ってつけたような屁理屈、つまりテロから国を守るのだ、そのためにはテロをやっつけるのだ、従って金が要るのだ、とかのセリフを言わせないほうがよかったですね。トラたちのやっていることがテロそのものですからね。劇中このセリフが繰り返されるたび、せっかくの盛り上がりに水をさされました。サイバー・アクションとしてはいうことないのに。それはそれとしてソードフィッシュってメカジキのことでしょ。鋭い歯のある剣のように長い顎を持つ。そこから「間違った方向に誘導する」って意味になんでなるのだろ。ま、いいか▼保釈中の身でうらぶれた町外れのコンテナに一人住む、かつてハッカーの帝王と呼ばれた男スタンリー(ヒュー・ジャクソン)のもとに、クールな美女ジンジャー(ハル・ベリー)が来る。自分のボスにあってくれというのだ。娘の親権で係争中のスタンリーは巨額の裁判費用を捻出するため、莫大な謝礼を約束した「ボス」の仕事を手伝うことにする。このボスがガブリエル(ジョン・トラボルタ)だ。DEA(麻薬取締局)が80年代の始め、極秘作戦・コード名「ソードフィッシュ」で、麻薬資金の流れをつかむためにつくったダミー会社が、4億ドルという予想外の利益をあげ銀行に放置されたまま、利子が利子を産みなんと、95億ドルになって銀行に眠っている、これをハッキングでいただこうというのだ▼ガブリエルの正体がなかなか明かされない。謎の男である。みなガブリエルを恐れる。冷酷このうえなく失敗を許さない。スタンリーは幼い娘を別れた女房から取り返すため、この仕事を引き受けたくらいだから、もともとやさしい父親なのである。娘がまた、幼稚園で迎えにこない母親を待っていて、先生が眉をひそめて「お母さんは今日も遅刻?」と訪ねても「ううん、ママはもうすぐ来るの、ちょっと遅れているだけ」と親をかばうような娘である。一人娘のこととなるとすぐ涙ぐむスタンリーに、国家が二重三重に防御している堅牢なシステムを破り冷酷なボスにはたして対抗できるのか。人が心配してやっているのに、彼はワインを飲みながらパソコンに向い、鼻歌まじりでホイホイご機嫌なのだ。矛盾しすぎだろ。雰囲気や設定に首をひねる、というセリフやシーンを、いちいち気にしていてはいけない映画らしいのだ、これは▼トラの演説は冒頭に紹介した通り。平和世界構築のためには多少の犠牲はやむをえない、というやりかたに情にもろいスタンリーはついていけない。でもトラはそんなスタンリーが気にいっており「観衆の目の前で象を消した男がいる、なぜできたと思う、ミス・ディレクション(間違った方向に誘導する)だよ、人は目に見えているもの、耳に聞こえているものにあざむかれるのだ」とだましの奥義を打ち明けるのだ。ここがいい伏線になっています▼セナ監督は三顧の礼をもってトラに出演を交渉し、十何回目かで受諾してくれた(根負けしたのでしょう)トラに、いっぱい見せ場をつくっていますが、嫌味でない悪役としてこなしたのは、トラの持ち味でしょうね。ヘリコプターからバスを吊り上げるとか、600台のカメラを駆使した爆破シーンとかの撮影技術はセナ監督の得意技だ。「ソードフィッシュ」にさきだつ1年前「60セカンズ」にもありました。超高級車50台を、一晩で盗まねばならぬ事態に追い込まれた主人公が、最後の1台「エレノア」を届けようと目的地に走るが橋の上で渋滞にはまる。主人公はキャリアカーの荷台をジャンプ台にして車の列を飛び越えるというシーン(「60セカンズ」で覚えているのはそこだけですが)▼トラ一味は一網打尽になった。ジンジャーはDEAの潜入捜査員である正体を見破られトラに射殺された。トラは焼死体となり、スタンリーはそれを確認する。歯型も本人のものだというのに、スタンリーはなにか腑に落ちない。もともと違う歯型をトラのものだと承認させていたらどうなるのだ。トラが隠していたあのアルコール漬けになっていたトラそっくりの顔はなんのためにあったのだ。そこへ報告が入る「ジンジャーという女はDEAにはいません」スタンリーは(アッ)。すべてはトラのシナリオだ。やつはまんまと95億ドルを手にし…それからだ、世界の各地でテロリストと目される人物の暗殺が相次いで起こっているとニュースが伝えているところでエンド。ふざけるンじゃねえ、トラ。

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