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2012年8月10日

児童・教師18名が犠牲になった室戸台風の大惨事を語り継ぐ

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東大阪市民美術センター

毎月21日・慰霊の日、毎年9月21日・室戸台風殉難慰霊式
鎮魂を祈り防災意識の向上を誓う

 東日本大震災や「これまで経験したことのないような大雨」(平成24〈2012〉年7月12日、熊本・大分両県、気象庁)など、各地で深刻な自然災害が相次いでいます。過去にも昭和9(1934)年9月21日に上陸した室戸台風は、西日本を中心に大きな被害をもたらしました。
 滋賀県草津市の山田小学校では、この台風により当時の木造校舎が倒壊し、児童17名・教師1名が犠牲となりました。同校では毎月21日を「慰霊の日」と定め、日常の安全点検をし、毎年9月21日には「室戸台風殉難慰霊式」を行って犠牲者の鎮魂を祈り、防災に対する思いを新たにしています。
 台風が山田小学校を襲ったのは、午前8時45分ごろ。夜明け前から激しく降り続ける風雨のなか、第一時間目の授業が始まって間もなく、『中庭の大きな樹木が次から次へと倒れ』()、『校舎の屋根瓦が片端からめくれ出し、木の葉のように飛び散』るなど、校内は騒然とした空気に包まれました。
 「外に出たら危ない! 机の下に入れ!」。よろめきながら廊下を走り、叫ぶ校長。その後間もなく『ミシミシという不気味な音と共に、校舎がグラリグラリとゆれ動く音』がしたかと思うと校舎が倒れ、多くの児童や教師が建物の下敷きになりました。

 このとき9月に赴任したばかりの田中儀三郎先生が、倒れた2人の児童を守るように覆いかぶさりました。背中に校舎の梁の直撃を受けつつ、「もうすぐ村の人が助けに来てくれる。しばらくがまんしろ」とやさしく声をかける先生。ようやく救出されたものの、田中先生はこの時のケガがもとで1年後に他界してしまいます。先生のお陰で九死に一生を得た当時の女子児童の一人は、事故から78年を経た今も「先生は命の恩人」と感謝の気持ちを忘れていません。
 山田小学校は「室戸台風殉難慰霊式」で献花などを行うほか、学区内の自治会長や老人クラブの関係者を招いて当時の状況を語り継ぎ、これからも防災意識を高めていきたいとしています。
『山田小学校百年誌』(昭和51(1976)年10月発行)に掲載された卒業生の寄稿文より引用
 (二重カッコ内同じ・山田小学校提供)

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