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2012年8月23日

荒涼としたデスメタルからすべてを慈しむ心の調べへ

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いかるがホール

 時にスポットライトに照らされたステージで、時に異国の路上で、その折々の思いを込めてギターを爪弾く、高野広海(たかの・ひろうみ)さん。繊細なインストメンタルの調べに心癒されますが、広海さんの音楽の原点は、現在のスタイルとは対極といえるデスメタルでした。
 16歳の初演奏以来、音楽は「社会への不満やいら立ちを訴える手段だった」という広海さん。髪を腰まで伸ばし、刺激的な歌詞やパフォーマンスで若者の熱狂的な支持を得たバンドは全国ツアーを行うまでの人気を博しました。
 その一方で、心身ともに疲れを感じていた広海さんに転機が訪れます。「ドラマのように『ある出来事や出会いによって劇的に変わった』っていうわけじゃない。ただ2年ぐらい前から、本当に自分にとって気持がいいこと、自分にとって楽しいことを探していたら、いつの間にか現在のスタイルに行き着いていたんです」

 変わったのは音楽だけではありません。高野さんの父・弘さんは、自ら作詞作曲した音楽と写真展を融合させたフォトコンサートを行う、世界でただ一人の“歌うフォトグラファー”。その父とステージで共演するようになったのです。
 「父とは一時、距離を置いたこともあった」という広海さんですが、「同じステージに立って、初めてその考えを理解できた」と話します。弘さんのライフワークは、水辺や海・自然をテーマにした歌や写真を通じて環境や生命の大切さを呼びかけていくこと。幼いころから誰よりも身近に接してきた父の姿そのものが、広海さんの進むべき道を示していました。
 2012年6月、弘さんとともに行った初の欧州・アジアツアーでは、「言葉や国境を越えた音楽のチカラを感じた」と言う広海さん。今後は弘さん、さらに弟・一輝さんを加えたバンドとソロ活動を「両立していきたい」と、意欲はますます高まるばかり。未来はその名の通り、広大な海のように限りなく光り輝いています。

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