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2012年9月17日

芭蕉ゆかりの史跡の再建  -それは未来を担う子供達の輝きに-

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姫路市立美術館

忘れ去られた芭蕉の遺品 イベントで風羅堂再建を!

 江戸時代の俳人・松尾芭蕉が姫路に縁があったことを、姫路市民でも知る人は少ない。
 その昔、姫路在住の井上千山は、芭蕉の弟子、広瀬惟然より芭蕉の遺品を託され、増位山随願寺に風羅堂を建て納めた。風羅堂は播磨の俳諧の中心となったが明治時代焼失し、以降芭蕉の遺品も忘れられてしまったのだ。
 風羅堂の再建を目指し、毎年開催されているのが「播磨芭蕉忌フェスティバル」。主催は姫路市の句会「亜流里」代表、中村猛虎(たけとら)さん達だ。69年ぶりに受け継いだ風羅堂の堂主「風羅堂第十二世」である中村さん-さぞや謹厳な老師では、と思ったら、現れたのは今年51歳という快活な紳士。「俳句の世界ではまだまだ若手なんです」と語ってくださった。
 「東京では若い世代の俳人も多いんですよ。ところが姫路では60代以上の方ばかり。もっと若い世代も活動しようや!と仲間を募ったのが、句会『亜流里』の始まり。僕が42歳の時です」。
 現在は小路紫峽先生(ひいらぎ主宰・兵庫県俳句協会会長)を顧問に、原英俊先生(高砂市俳句協会会長)の実作指導を受け、約20名で活動している。「楽しいのが一番!」と言う同会は、師弟関係の厳しい俳句会の中では型破りかもしれない。
 「播磨芭蕉忌フェスティバルでは、一般の部と学生の部で俳句を募集しています。お子さんの応募が多いんですよ。昨年度は学生の部で2000~3000句集まりました」。
 大人の場合は、発想が固定化され「なかなか型を破れない」と中村さん。「でも子どもは自由です。ほんま、天才ですよ」。

大切なのはものの見方 子供達にはきらめく才能がある

 「今年から、亜流里のメンバーは小学校で子供達に俳句を教えています。
 学校では、とかく五七五や季語だけにこだわりがち。でも大切なのは、自由なものの見方なんですよ。
 例えば花があっても、それを眺めてるだけでは何もわかりません。香りをかぐ、裏を見てみる、どんな手触りか・・・五感で感じる『ものの見方』が大切です。
 ブランコは春の季語なのですが、校庭のブランコで遊ばせ感じたことを俳句にさせると 「ブランコですれ違うたび笑ってる」 なんて俳句が出てくるんです。
 ものの見方を教えてあげれば、子供は素晴らしい俳句を作れるんですよ」。
 テストや運動のようには目で見えない才能が、子供達の中にきらきらと見つかると言う。
 「よく『一句ひねる』と言いますが、頭をひねってはいい句は出てこないんです。五感で見つけ出したことを詠み。ものの変化に気づく力があり、きちんとした言葉を知っていると、いい句ができます」。
 最後に中村さんに、将来の展望を伺った。
「まず風羅堂の再建。それから松山でやっている俳句甲子園の播磨版、みたいなものをいつか開催したいですね」。
 芭蕉ゆかりの史跡の再建は、未来を担う子供達の輝きを育てることでもあるのだ。

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