女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

2012年9月4日

もっと女性の働きやすい工房へ  ~株式会社FIELD土香 高尾素子さん~

Pocket
LINEで送る

【資格のお悩み】

株式会社FIELD土香 取締役事業総括部長 高尾素子さん(43歳)

 「今城焼」をご存じだろうか? 古墳時代、高槻市氷室町を含む一帯は埴輪の生産地。その地でルーツを探る研究や文化の普及ができる創作の場を作ろうと、安見一念氏が1990年に「FIELD土香」を設立。以後、陶芸教室や飲食店への器提供、ギャラリーやレストランを展開している。
 そのFIELD土香で20年、陶芸教室で教える一方、自らも器を作り続けているのが高尾素子さんだ。「元々、短大の時に陶芸を学んでいたのですが、社会人になり、まったく関係のない仕事をしていました」。
 高尾さんに転機が訪れたのは、社会人2年目の頃。母親のひと言がきっかけだった。「『せっかくなら陶芸を続けてみては?』と勧められました。初めは教室で学んでいましたが、3カ月後に母が急逝して…。最後に言ってくれたのが陶芸のことでしたし、仕事を辞めて1年はボランティアで工房で働いて、翌年に入社しました」。
 しかし、制作の現場は大忙し。しかも同工房は女性の多い職場。結婚や出産などで退職していく人が少なくなかった。そういった中、高尾さんは「母が『女性も働かなあかん』と言っていましたし、出産した際には安見代表から保育園を勧められて、やめる理由がなくなっちゃいましたから、仕事を続けました(笑)」。
 高尾さんは笑って振り返るが、そこには1つの思いがある。「子どものことで休みながらでも続けることで、後輩の女性たちに継続できる道筋を作れたらいいなって。その人のできることはその人にしかできません。辞めちゃうのはもったいないですから」。
 工房で仕事を続けるもよし、自宅でできるのならば個人で続けるもよし。働く日数が減っても、とにかく続けられる環境を。「作り手がいなければ今城焼も広まりませんし、この仕事は長く続けないと手につきません。それに、仲間が辞めちゃうのって、寂しいじゃないですか」。
 今、お子さんは中学生。「今度はわたしが後輩たちに『(子どものために)休んでいいよ』と言う立場。今までの恩返しをしたいです」。それに、今城焼の普及も。
 「よく『瀬戸物』って言いますけど、瀬戸で焼いた焼き物だから瀬戸物なんです。それと同じように、飲食店で器を見た方が『これは今城焼だ』って仰るくらい、(今城焼を)広めたいですね」。
 母として、女性として、職人として。高尾さんの挑戦は、これからも続いていく。

Pocket
LINEで送る