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2012年9月22日

子どもたちが発するサインを見逃さずいじめを防ごう

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大阪日本民芸館

いじめは絶対にだめ!  一人ひとりに寄り添って成長を見守り続けることが大切

 全国でいじめに関する報告が相次いでいます。奈良県教育委員会が先ごろ発表した平成23年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果によると、県内のいじめの認知件数は小中高校で272件に上っています。
 元大淀町立大淀緑ヶ丘小学校校長で同町適応指導教室の今西政弘・室長は、教育相談員として長年子どもたちの心のケアにあたってきました。今西室長は、いじめに発展しかねない人間関係のもつれや感情のこじれは年齢や性別・地域などにかかわらず発生するものとして、「子どもが発する小さなサインを見逃さず、周囲の大人が連携・協力して早め早めに対処することが大切」と話します。

 奈良県の中部に位置する大淀町は、近鉄電車で大阪市内まで約1時間という立地の良さに加え、吉野川や山林など豊かな自然に恵まれています。今西室長によれば、近年は町内でも子どもたちが集団で遊ぶことがなくなったといい、大人も含めた人間関係の希薄さは都市部とさほど変わりがないとみています。それでも旧来のいい意味での農村社会のつながりは健在で、「理屈抜きで『いじめは絶対にだめ』」という意識が町の人々に根付いていると室長は話します。
 さらに高齢者とのふれあいや家事・畑仕事などを通じて子どもたちが「単なる知識だけではなく、知恵をつける機会が都心部に比べ多い」として、「人間関係の基本を子どもたちが成長の早い段階で身につけていることが、いじめ防止の一因となっているのではないか」と分析します。
 深刻ないじめ被害に関して室長は、「どんな理由や状況であれ、『いじめは絶対にだめ』というのが大前提」としたうえで、教育においては「加害者も視野に入れることが大切」と強調します。「いじめている本人も心に傷や悩みを抱えているケースが少なくない。教師や保護者・周囲の大人は、そんな子どもたち一人ひとりに寄り添って、根気強く成長を見守り、支え続けていかなければなりません」
 今西室長が相談やアドバイスにあたり常に心がけているのは、子どもたちと「二人称で接すること」。「『彼らとわたし』ではなく、『あなたとわたし』という視点・姿勢で接すれば、子どもたちも安心し、信頼して思いを語ってくれます」。室長の言葉には、長年教育現場の最前線に立ってきた説得力と子どもたちへの深い愛情に満ちています。

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