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シネマ365日

2012年10月20日

ターミネーター4(2009年 SFアクション映画)

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監督 McG

出演 クリスチャン・ベール/サム・ワシントン/アントン・イェルチン/ヘレナ・ボナム=カーター

いつまで続くぬかるみか 

人間とスカイネットという機械の果てしない戦いを、はてしないエピソードでつづる果てしない物語になるのでしょうか、この「T」シリーズは。思えば「T1」から28年。「T4」ができた時点でも四半世紀たっていました。おかげで「T3」で自分は未来の指導者の器ではない、とグズグズ泣き言ばかり吐いていたジョン・コナー(クリスチャン・ベール)が、苦みばしったいい男になって、抵抗軍の部隊長として指揮をとっている。でもその上に司令官がいるから、ジョン・コナーはまだ救世主的トップ・リーダーではないのね。ということはこのシリーズ、まだまだ続くということじゃない! ムムムどうすればいい▼さすがに「T3」の失敗にこりて、クリスチャン・ベールや謎の男マーカスのサム・ワシントンやら、美丈夫を動員してアクションシーンをひきしめました。そのせいかどうか、けっこう面白かった。でもこうやたら時間軸を移動されるのにも飽きてきたなあ。ジョン・コナーが助けるカイルという少年がコナーの父親になるのですって。未来からきた殺人マシーンというキャラで始まったこのシリーズは、タイムマシンで頻繁に移動できるおかげで、このたびは過去に戻る主人公が現れたわけですね。そのうち銀河の端までワープするのでしょうね▼「T3」で下された最後の審判によって、地球は廃墟となった。生き残った人類は抵抗軍と称し機械との戦いに明け暮れる。抵抗軍の隊長であるジョン・コナーは自分の父親となるカイル少年(アントン・イェルティン)がスカイネットに命を狙われていると知り、探しているときマーカスという屈強な青年に会う。彼はカイルとスターという兄妹のような子供たちと行動をともにしていたが、カイルを機械軍が拉致した、彼らは大勢の捕虜を集めており来るべき「T800」の生体実験に使おうとしている。「T800」とは、古型「T600」とは様相を一変、機械とはもはや言えない生体構造を持ったスーパー殺人機だ。スカイネットの内部に侵入したジョン・コナーは工場でターミネーターが量産されているのを目の当たりにみる。最終戦争は近い▼ところが謎の男マーカスの正体は元死刑囚だった。死刑執行寸前に高名な科学者セレーヌ博士(ヘレナ・ボナム=カーター)が刑務所にマーカスをたずね、献体をすすめた。彼女はガンで明日も知れぬ身だ。命のあるうちに是非ともマーカスの肉体がほしいみたいだ。例によってヘレナ・ボナムが抗癌剤の副作用が顕著な頭と、灰色の顔で登場する。異界のキャラとメークが、これほど好きな女優さんも珍しいのではないですか▼死刑執行されたはずのマーカスが不思議な力を備えて現れるのは…もうおわかりだと思うが、これがタダでは死なないヘレナ・ボナム=カーターの役どころである。抵抗軍は着々最終戦争にむけて準備を整えているが、どっこいそうはさせません、一挙に滅亡させられるのは機械軍ではなく抵抗軍つまり人類のほうだ、という罠が仕込まれていた▼ケチをつけるわけではないけど、ストーリーの背景というか背骨は(たとえ主人公が過去と未来を頻繁に行ったり来たりしたとしても)どうにもこうにも変えられないわけでしょう、つまり地球を救うためのスカイネットとの戦いという骨子と大筋は。だからこの先どんなお話になるかは知らないけど、こきざみなエピソードの挿入(たとえば今回のマーカスの出現みたいな)で連続シリーズみたいになると思うのよね。すでにテレビでやったバージョンみたいに、芸の細かいところで観客を感心させることはできても、大局が変わらないのだから「ジョン・コナーが司令官になってスカイネットをやっつけ、多大な犠牲を払い、人類は平和を取り返しました」にしてしまうのか「ついに滅亡しました」にするのかのどっちかでしょう。今やハリウッドの伝説となった「偉大なるT」の花道をつくってやればいいのに。それというのも緑ひとつない画面、足元の累々たる人骨を踏みくだきながら歩き(第一作はそれが衝撃的だったが)ロスアンゼルスは荒廃の砂漠、食べ物はソーセージ(らしきもの)一本で欣喜し、着ているものは戦闘服で、何ヶ月も風呂に入ったことのないような男や女がスクリーンを右往左往するのだ。本気でこのさき「戦いはまだまだ続く」のエンドマークで引っ張っていくつもり? センセーショナルだった第一作を解析、解析でひねくりまわし、とうとう衰弱死させてしまった「マトリックス」の轍を踏まなければいいけど。

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