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シネマ365日

2012年10月28日

マチェーテ(2010年 アクション映画)

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監督 ロバート・ロドリゲス

出演 ダニー・トレホ/ロバート・デ・ニーロ/スティーブン・セガール

異形のヒーロー

ドバッ・ズバッ・グサッ・ビュンビュン・グジャッ・ドスッドスッ。順番にいえばマチェーテ(手斧)で腕や足を断ち切る、手斧が胴などに突き刺さる、ナイフもしくはもっと重量感のある太刀などで突き刺す、斧を振り回す、肉体がつぶれる、拳銃を発砲する、といった一連の擬音である。「マチェーテ」は10分に1回くらいどれかの音がドバッ・ズバッと入るのである▼タイトル・ロールのマチェーテ(ダニー・トレホ)はメキシコの連邦保安官。彼の愛用の武器はマチェーテ(ややこしいな)だ。がっしりした分厚い斧を使いこなし犯罪者を捕らえる。麻薬王トレース(スティーブン・セガール)を逮捕しようと追い詰めるが、罠にはまり妻と娘を惨殺される。3年後アメリカのテキサスで不法移民の日雇い労働者として働いているマチェーテに、不法移民嫌いのマクラフリン議員(ロバート・デ・ニーロ)暗殺の仕事が持ち込まれるが、これも罠だった。復讐の鬼と化したマチェーテは形相も悪鬼のごとく立ち上がる▼製作にクエンティ・タランティーノが加わっている。監督のロドリゲスとは兄弟同様のつきあいという親友同士。テンポの速さ、あっけないくらいサッサとかわるシーン転換、登場人物の蘇り(死んだと思ったら生きていて、ジャーンという感じで出てくる)、武器弾薬の乱費、暴力の徹底、躊躇ない殺し方と、その手法の簡便さと残虐さ(毒殺なんかしない、ほとんどがドバッ・ズバッである)、爆破シーンが大掛かり(炎上する炎はより高く、より赤く、より熱く)、ヒーローはハンサムであってはならない。ダニー・トレホの容貌をみてほしい。彼はロドリゲスの従兄弟だ。馬のように長い顔にめりこんだ細い目が鋭い。月面の裏もかくまでと思えるアバタは激しい凹凸を刻んで屹立し、引き結んだ熱い唇は、苛烈な過去をもつ男の苦渋がにじむ。中肉の背中は筋肉で盛り上がり、肩は馬のようにたくましく、腹は腹でもメタボではなくハガネのように固い。汚れたシャツににじむ汗が野生のセックスアピールを発散している。でもどことなくラブシーンを演じる女優さんたちが足を後ろへ引いているようにみえるのは、マチェーテに失礼というものではないのか▼女優さんといえば敬虔なカトリック教徒で映画の中のヌードやセックスシーンを拒否していたジェシカ・アルバがあっさり脱いでいる。本人は男性情報誌「FHM」で「世界一セクシーな女性」ナンバー1に選ばれたものの、セクシー女優と呼ばれるのに抵抗があったはずなのだけど、じゃあれはCGか。リンジー・ローハンもレズトモの暴露記事騒動や短期刑務所体験など、なかなか私事に忙しい女優さんで、アルコール依存症はその後どうなったかは知らない▼ロドリゲスは「デスペラート」や「レジェンド・オブ・メキシコ」でアントニオ・バンデラスを起用したりして「ハンサム」に色気をみせているが、タランティーノのハンサム嫌い、というより、よく見ているうちに気色悪くなるほどのオーラを発する顔でなければ、男の迫力はだせないという信念が彼にはあるのではないか。したがってハーベイ・カイテルとか、ティム・ロスとか、ジョン・トラボルタ、ウディ・ハレルソン、ジュリエット・ルイス、気の毒だけどトミー・リー・ジョーンズもいれちゃおう、そういうクセのある顔が好きなのです。たとえフツーの顔であっても、強引にひしゃげた顔にさせられてしまうのは「イングロリアス・バスターズ」のブラピをみてもわかるでしょ▼最後はこの人、スティーブン・セガール。巨体をゆすってマチェーテのビュンビュンに対抗し、合気道7段の極意でかるがると身をかわす。一連の「沈黙」でみせた正義の味方とは打って変わった極悪人ヅラ。それらしく、いやらしい人相になり、あの巨体がさらに太ってダイナソーも彼を襲うのは足踏みしそうだ。情報によると、この話題盛沢山のヴァイオレンス大作「マチェーテ」の続編がクランクインしたらしいのだ。監督はもちろんロドリゲス。主演はこの男以外にだれがいる「ミスター・マチェーテ」ダニー・トレホだ。こうなると荒唐無稽もノンストップ、メキシコの麻薬組織のリーダーや宇宙兵器を使って世界制覇をたくらむ武器商人が壮絶バトル。そこにマチェーテが躍り込む。ノーテンキを通り越し爆笑ものかもしれないね。

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