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アニマルハート

2012年10月24日

童謡でもおなじみ  夕焼け小焼けの赤トンボが絶滅の危機!?

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奈良国立博物館 第64回正倉院展
10月27日(土)~11月12日(月)

田んぼの変化・温暖化・農薬…いくつも考えられる原因 継続した調査が必要

 童謡でもおなじみ、日本の秋の風景に欠かせない昆虫といえば、赤トンボ(アキアカネ)です。ところが近年の研究によると、かつては日本の至るところで当たり前のように見られていた赤トンボの数が急速に減っているそうです。一体、赤トンボに何が起こっているのでしょうか? 橿原市昆虫館(奈良県)の久米智・学芸員にお話をうかがいました。
 春、水田で孵化したアキアカネの卵は、水中で幼虫(ヤゴ)として育ち、梅雨の頃、成虫になります。夏から秋にかけて山間部に移動するのは暑さを避けるためといわれていますが、本当の理由はよく分かっていません。
 9月になって暑さが和らぐとアキアカネは山から里へ下りてきます。このときの様子が秋の風景としてずっと親しまれてきました。
 里に下りたアキアカネは、稲刈りが終わった後、田んぼの水分をたっぷり含んだぬかるみや水たまりに卵を生み、一生を終えます。
 久米さんによれば、赤トンボの数に異変が報告されるようになったのは、2000年前後から。研究者の調査によると減少には地域差があり、特に北陸地方での減少が目立つそうです。

 数が減った原因はいろいろ報告されており、主に次のようなことが考えられます。稲刈り後の水田環境の変化/コンバインなど大型農業機械によって田んぼが平らになり、産卵に適したぬかるみや水たまりが減ったため。温暖化/もともと暑さに弱いアキアカネは、梅雨時の高温や残暑の影響を受けやすい。農薬/1990年代後半から広く使われるようになった特定の農薬がヤゴの成長に悪い影響を与えている-。
 さらに「稲の品種が変わって田植えや耕作のサイクルに変化が起きた」「減反の影響で水田の数そのものが減っている」なども原因として考えられていますが、まだはっきりとした原因は判明していません。久米さんはアキアカネの数が減ったのは、「ひとつの原因ではなく、いくつかの要因が重なった結果」だと推測し、「これからも広い地域で調査を続けていくことが必要」と話しています。

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