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特集「ディーバ(大女優)」

2012年12月6日

特集 ディーバ(大女優) ソフィア・ローレン 
カサンドラ・クロス(1976年 サスペンス映画)

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監督 ジョルジュ・バン・コストマス

出演 ソフィア・ローレン/リチャード・ハリス

パンデミック列車 

1970年代とはパニックものの全盛だった。「アンドロメダ…」「キングコング」「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」「大空港」ちょっと毛色は違うがネズミが人間を襲う「ウィラード」のような映画もあった。「カサンドラ・クロス」は日本で150億3000万円、1977年の洋画配給収入で3位という大ヒットになった。配役の豪華さも観客を映画館に呼びこんだ原因のひとつだ。日本で特に人気のあるソフィア・ローレンが本編の女流人気作家ジェニファーに、精神科医ジョナサンにリチャード・ハリス、情報部司令官マッケンジー大佐にバート・ランカスター、ヨーロッパ最大の武器製造会社の社長夫人ニコルにエヴァ・ガードナー、彼女の若いツバメ実は麻薬密売人ナバロにマーティン・シーン、神父に変装して密売人を追う刑事ハリーにO・J・シンプソン、ユダヤ人の老セールスマン、ヘルマンにリー・ストラスバーグ。背景がまたドラマティックだ。カサンドラ・クロスとは1948年第二次世界大戦後に廃線となり、老朽化に任せ今にも崩れ落ちそうな鉄橋の名前だ。かつてはニュールンベルグからポーランドのナチ収容所ヤノフに向かう支線が走っていた。妻子がヤノフの収容所で殺されたヘルマンは、カサンドラ・クロスときいただけで激しい拒否反応を起こす▼物語はジュネーブの世界保健機構に侵入した三人のテロリストのうち二人は射殺、一人は細菌に感染したまま逃走しストックホルム行き大陸横断鉄道に乗り込んだ。スキャンダルの発覚を恐れた米国情報部のマッケンジー大佐は犯人の逃げ込んだ列車を、ニュールンベルグで車両ごと密封しカサンドラ・クロスに誘導、乗客1000人をまるごと事故死にみせかけ抹殺しようとする。乗客の一人に国際医学会議に出席したジョナサン博士がいた。ジュネーブに着ていたジェニファーは講演会のポスターをみて、ジョナサンつまり元夫が帰国のために横断列車に乗ると見当をつけ、同じ列車に乗車する。この二人は離婚したものの未練絶ち難くまた結婚、性懲りもなく再度離婚したいわくつきの夫婦▼乗客を装ったテロリストは車内を歩きまわり感染者を誘発していた。ジョナサンは緊急事態に対応するため情報部と連絡をとりあううち、彼らの目的が乗客全員の抹殺だと気づき、ジェニファーとともに阻止するべく行動を起こす。いっぽう世界保健機構では女医エレナ(イングリッド・チューリン)が、病原菌に感染した犬から治療法をみつけようと検査室に閉じこもっていた。車内ではテロリストが死体となって発見された。感染者の拡大とともに死者が発生する。つぎはだれが発症するのか。列車内は戦々恐々のパニックをきたす。博士はカサンドラ・クロスを渡るまでに列車を切り離し、鉄橋での転覆、墜落事故を食い止めようとするが、ニュールンベルグから乗り込んできた武装情報部員と銃撃戦になる。そのときだ。カサンドラ・クロスの幻影におびえたヘルマンがガスの充満する車内でライターを点火、大爆発を起こした▼なんでそうなるのといいたくなるシーンはありますよ。いちばん(?)と思うのは、あっけにとられるほど速やかにワンちゃんが回復すること。治癒したのは薬でも血清でもなく、たまたま酸素が濃い状態にワンちゃんがいたからで、つまり偶然なのだ。じゃ列車内で致死したのは運が悪かったってことか。あんまりやな。感染率60%というのにジョナサンとジェニファーはぴんぴんしているのはひたすら幸運の賜物か。カサンドラ・クロスは縮小仮設の鉄橋の模型だが、お金をかけていなかったせいか、鉄板がパクパク揺らぐところなんか列車どころか、車一台だって崩壊しそうだ。パンデミックがあっけなく終結するものだから、ランカスターも貫禄が空振りになってしまった。もうけ役はもちろんジョナサン博士。製作がカルロ・ポンティだからソフィア・ローレンが前面にでてくると思ったけど、いいところ全部リチャード・ハリスに横取りされましたね。監督のジョルジュ・バン・コストマスは本作のヒットで勢いに乗り「ランボー/怒りの脱出」「コブラ」など派手なアクションを得意とし、スタローンとのコンビが続きましたが、惜しいことに肺がんのため64歳で没しました。

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