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シネマ365日

2012年12月11日

ミート・ザ・ペアレンツ(2000年 コメディ映画)

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監督 ジェイ・ローチ

出演 ロバート・デ・ニーロ/ベン・スティラー

婿いびり壮絶バトル 

制作費5500万ドルの映画が世界で3億3044万ドルをあげ、コメディ映画最大のヒットとなった。なにがそんなに面白かったかといえばジェイ・ローチ監督が、わかりきった筋書きをおバカに徹して、奇をてらわずグイグイ押しまくった腕力だろうな。絶対にだれも傷つかない、みな理解しあえて必ず幸福になる、コミュ二ケーションは完全に通じ合う、という、一度でいいからミヒャエル・ハネケに見せてやりたい映画だ▼ロバート・デ・ニーロはこのとき57歳。結婚適齢期の娘が2人、息子がひとりいる父親にふさわしい年齢。とにかくこの人の役の広さに、右にでる俳優はいるだろうか。みな自分の得意芸というものがある。クリント・イーストウッドがローマ教皇を演じたか。ジョン・ウェインがウォール街をやったか。比較的芸域の広かったポール・ニューマンやロバート・レッドフォードでも、デ・ニーロほどの広域性はない。エキセントリックな性格でとことん追跡するトミー・リー・ジョーンズの刑事や保安官、粘液質の偏執狂的情熱家のアル・パチーノも右に出る役者のいない俳優だといえるし、ブラピやジョニデのチャレンジ精神も認める。でも論より証拠、デ・ニーロが演じた役柄をザっとみてみると…▼犯罪映画は数知れず、マフィアのボスの青春時代を演じた「ゴッド・ファーザー」でアカデミー助演男優賞、実在のボクサーの伝記映画「レイジング・ブル」で同主演男優賞、この映画の過激な体重増減いずれのコントロールも語り草になった。そうそう「未来世紀ブラジル」はSFでしたね。ベルナルド・ベルトリッチ監督の316分に及ぶイタリア現代史「1900年」、ベトナム戦争の傷をえぐった「ディア・ハンター」、字の読めない青年が恋人に手紙を書けるようになるあたたかい恋愛映画「アイリスへの手紙」、アル・カポネに扮してヒーローたちを完全に圧倒した「アンタッチャブル」▼それがククク、娘の結婚相手をいびりまくっておいだそうとする元CIAの父親になったのだ。長女パムが連れてきた恋人のグレッグ(ベン・スティラー)は看護師。飼い猫のジンクスを溺愛する父のジャック(ロバート・デ・ニーロ)はグレッグが気に入らない。あいつは猫嫌いだ、名門の出でも秀才でもなくしがない看護師だ、もちろん資産家ではない、とにかく箸のあげおろしにまでイチャモンをつけ娘にあきらめさせようとする。娘はグレッグが医師試験にトップクラスで合格した優秀な頭脳だが、自分の適性は看護師に向くと、敢えて転向したことをいうがジャックは信じない。ジャックの息子は医者で、ことあるごとに看護師のグレッグを見下す。グレッグはジャック一家に溶け込もうと涙ぐましい努力をするが、失踪したジンクスの捜索を命じられ、あわや大火災、大惨事に至るトラブルを引き起こしてしまう▼おまけにまだパムに未練のある元婚約者が、ポケットにいれていたマリファナのパイプがグレッグのものだと勘違いしたジャックは、CIAのスキルをフルに発揮、ウソ発見器に身元調査に誘導尋問とつぎつぎ捜査の術を繰り出し、とうとうグレッグは家を追い出される。ただひとりパムの母親だけはグレッグの味方で、娘の幸福を願う父親ならそんなことはしないと、ジャックのゆきすぎをたしなめる▼攻めるデ・ニーロ、守るベン・スティラーの構図がある点から逆転する。娘の恋人をいさぎよく受け入れた父親に相対し、ドジばかり踏んでいたダメ恋人がいきなりカッコよくなる。できすぎだなんて野暮なこと言っても仕方ない。ここはいさぎよく笑い飛ばそう。ベン・スティラーはご存知「ナイト ミュージアム」「スタスキー&ハッチ」「ドッジボール」など、軸足をコメディに移し活躍中。過激な父親をいさめる良識派の母親役はブライス・ダナー。ブロンドの髪とハスキーボイスを受け継いだ実の娘がグウィネス・パルトロー。「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー主演女優賞に輝いています。容貌も母親そっくりですね。

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