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特集「アニマルフェスティバル」

2012年12月28日

特集 「それ行け アニマル・フェスティバル」ガフールの伝説(2010年 ファンタジー映画)

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監督 ザック・スナイダー

出演(声) ジム・スタージェス/エミリ・バークレー/ジョエル・エドガートン/ヘレン・ミレン

飛翔する夜の戦士 

フクロウが主人公というのが珍しい。あまり情報が多くない野生動物のひとつがフクロウだが「夜の戦士」「森の賢者」などという別名で人間ととても親しい存在だ。「ガフールの伝説」はフクロウの国で、フクロウが生き残るために戦う壮大な物語だ。羽毛がそよぐ一本一本までCGで作りこみ、鳥の体幹部の柔らかな感触や、大きく羽を広げて夜空を滑空する雄大な飛翔感や、鋭い鉤爪や、鉤爪が獲物を取って乱戦する戦闘場面や、フクロウの世界がドラマティックに展開するのがみごとだ▼メンフクロウのソーレン(声ジム・スタージェス)は父フクロウからフクロウの国の大戦の話を聞いて大きくなった。伝説の勇者ガフールたちが暮らす「神木」が湖のそばにあり、彼らはいまも平和に暮らしながら歴史を学び、訓練を忘れず、規則正しい共同生活を営んでいるという。夢見がちなソーレンを兄のクラッドはいつもバカにしている。父フクロウはリアリストのクラッドの言い分を認めながらも「目に見えるものだけが真実ではない。何が正しいか、体が教える。砂のうだよ。胃袋で感じるのだ。夢は心そのものだ」とソーレンを励ます。飛び立ちの練習をしていたソーレンとクラッドは地面に落ち、見知らぬフクロウに誘拐された。連れてこられたところは「純血団」と呼ばれるフクロウの組織だった。彼らのトップ、メタルビーク(声ジョエル・エドガートン)は、妻のナイラ(声ヘレン・ミレン)とともに、あらゆるフクロウの国を征服しようとしていた。戦闘要員養成のため、子フクロウを誘拐しては「月光麻痺」(月光を見つめる子フクロウはそれまでの記憶を失って、新組織に従属する、というもの)なる方法で洗脳し、訓練していた▼ソーレンは隙をみてサボテンフクロウのジルフィー(声エミリ・バークレー)とともに脱出し、途中仲間と出会いながら、伝説の「ガフール」を探しにいく。何度も困難な目にあい、やっとたどりついたものの「純血団」の存在を信じてもらえない。ソーレンはしかしひるまず「彼らの世界征服の根拠がないというなら〈ガフールの伝説〉も、父から聞いただけで根拠はなかった。でもぼくはこうしてやってきた」と疑惑グループを論破する。ソーレンの意見を認めたガフール国のトップは「敵が攻めてこようというときに、滅ぼされるのを待つわけにはいかない」と出陣を決意、ガフールの戦士たちは兜と鉤爪に身を固め、純血団の巣窟めざし飛び立つ。ガフール陣営に裏切り者がおり、先発グループは罠に落ちた。それを知ったソーレンは火山の猛火のなかをくぐりぬけ、罠にはまったガフール軍が金縛りにあっている磁気を解体する。兄のクラッドは純血団の幹部となりソーレンと対決するが戦死する。あれや、これや、スピードのあるシーンが続き飽きさせない▼フクロウは世界に約200種。特徴はなんといっても目だ。くらやみでもフクロウがみえるのは、大きな目に入る光の量が多いからだ。人間でいうと、ミカンかリンゴくらいの割合の目の大きさになると思えばよい。人間と同じで顔の正面に目があり、視線を動かすときは顔全体を動かす。首には人間にない骨があり、頭が左右に190度動かすことができる。首は細く獲物を飲み込むときだけ広がる。フクロウの飛び方はどの鳥より独特で、翼が特別な構造をしている。表面は柔らかな羽毛でおおわれ、こすれても音がしない。翼のふちに細い毛がたくさん生え、羽ばたく音を抑える。だから気づかれず獲物接近できるし、鋭い爪でガシッとつかまれるとそれだけでネズミの骨は砕かれてしまう。聴覚がいいのは目のまわりにある顔盤という細かい羽毛が、音を集めて耳に送るからだ。これによって遠くのネズミが草むらで動く音さえ、フクロウはとらえることができる。フクロウが好んで生息する原生林の伐採とともに、野生のフクロウも減少傾向にある。フクロウは役にたつ動物なのだ。畑を荒らすネズミを退治してくれる有益な鳥だとして保護するところもある。北極圏から熱帯雨林まで幅広いエリアに生息するわりには実態はあまり知られていない。でも高度なハイテクのような身体機能を備えた狩りのプロとして、ものすごくカッコいい鳥でもある。そのカッコよさの一端が、この映画のすばらしい映像でみられることは、フクロウに限らぬ、動物ファンにとってはしびれるだろう。

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