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特集「アニマルフェスティバル」

2012年12月31日

特集 「それ行け アニマル・フェスティバル」ベイブ(1995年 家族映画)

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監督 クリス・ヌーナン

出演 ジェームズ・クロムウェル

どうぞよいお年をお迎えください 

たかが子豚の映画とあなどってはいけません。アカデミー作品賞、監督賞、助演男優賞など7部門にノミネート、視覚効果賞を受賞した快作ですよ。アニマトロニクス(アニメとエレクトロニクスを組み合わせた造語)という特撮技術が秀抜だったけれど、なんといってもドラマの構成がしっかり感動を与えたからですね▼オープニングの語りはこうだ「これは素直な心の持ち主が周囲の世界を変えた話。その昔ブタ仲間以外からは尊敬を受けない動物だった。彼らは暗く過酷な世界で一生を送っていた。ブタたちは信じていた。大きくなって太ればブタの天国へ行けると。天国は素晴らしく、誰も戻った者はいない。だから親が天国に召されても、子豚たちはそれを悲しまず、自分たちにもその日が来るのを待ちわびた」じつに辛口の幕開けである。ここは緑なす農場。牧場では羊を飼い、田畑を耕し、平和な暮らしが繰り返されていた。そこへ子豚が貰われてくる。太らしてクリスマスには丸焼きにしようと牧場主アーサー(ジェームズ・クロムウェル)一家の計画は着々と進む▼動物たちの性格設定がピカ一だ。牧羊犬フライは子豚があまり小さいので不憫になって、慣れるまで面倒をみてやろうと名前をきくと、名前はないという。「お母さんはあなたをなんて呼んでいたの」「みんないっしょだよ。ベイブ(坊や)って」子豚の名はそこでベイブになった。フライとレックスは夫婦の牧羊犬だ。レックスはこのあたりに大水が出た時、羊を避難させようと一晩走り回ったが洪水で羊たちは溺れ死に、レックスは耳が聞こえにくくなった。それ以来気難しく心を打ち明けない犬になった。聡明なフライは心のなかで傷ついているレックスをいたずらに刺激しない。アヒルのフェルディナンドは毎朝雄鶏の代わりに時をつくる。役に立つ仕事を持っていれば、他のあひるのように食用にされることはない、という彼なりのサバイバルなのだが、雄鶏はでしゃばりのアヒルをいつか絞め殺してやると目の敵にしている。性格のいいネコもいるがここのネコはそうではない。「人間がブタを飼う理由はたったひとつ、食べるためよ。でも考えれば尊い役目ね。ポーク、ハム、ベーコン、いろいろ呼び名は変わり、生きているときだけブタ」なんだか「マクベス」のイアゴーみたいにベイブの耳に毒を吹き込むのだ。人間にもいますね、なぜか知らないけどその人のいうことがひとつもさわやかでない、どころか話しているとイヤーな気持ちを人に与える人▼繊細なベイブはネコの嫌味にひどく傷つく。いまは「ママ」と呼ぶようになったフライに「僕は食べられるの。ここのご主人もそう思っているの」と聞く、リアリストのフライは「たぶんね」と答えるではないか。ベイブはショックで家出する。さあ、それが牧羊犬コンテストの前日だったのだ。アーサーはベイブの頭のよさに気がつき、毎年行われる牧羊犬コンテストにベイブを出場させるときめていたのだ。レックスは嫉妬と憤怒で食事もしなくなるがフライがベイブはいい子だ、応援してあげようととりなす。それなのに肝心のベイブがネコのいじめで再起不能に陥ってしまった。アーサーはベイブを看病しながら歌う。これがサン=サーンス「交響楽第三番第二部」の主題に歌詞をつけた「言葉があれば」だ▼奇跡的にベイブは立ち直った。それいけ会場へ。でも難関がまだあった。羊たちがいうことを聞かない。やさしいベイブを舐め命令に従わないのだ。フライはレックスに相談する。たったひとつ方法がある「待っていろ」なにを思ったかレックスは牧場の羊の群れに駆け戻るのだ。「ベイブが困っている。助けてやってくれ」羊たちはいつも自分たちを追い立てるレックスの出現にあわてるが、交換条件を出す。「羊を従わせるパスワードを教えてあげるわ。その代わり誓って。羊たちにやさしくすること。噛み付かぬこと。今から教える暗号は今日限り使わぬこと」レックスは約束する。その暗号とは「バー・ラム・ユー。群れと仲間たちに変わらぬ忠誠を。裏切るなかれ。バー・ラム・ユー」レックスは聞くなり、黒い疾風のように会場に走るのだ。最後はもうどんな偏屈な人でもグッときてしまうでしょう。心が温かくなるとはこんな映画をいうのですね。前述した「言葉があれば」の歌詞はこうです「あなたを勇気づける言葉があれば/朝から聞かせよう/黄金の調べを/今日というこの日に永遠の生命を/夜がきたら月の光で満たそう」今日という日に永遠の命を…いい言葉ですね。1年間ご愛読ありがとうございました。あすは2013年元旦です。どうぞよいお年をお迎えください。

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