女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「われらのダイナソー」

2013年1月18日

特集 「われらのダイナソー」 「鳥類の祖先ベロキラプトル」 (2003年 ドキュメンタリー映画)

Pocket
LINEで送る

 ディスカバリーチャンネルは35の言語で世界117カ国に放送するドキュメンタリー・チャンネル。科学や歴史、文化遺産、人体などあらゆるジャンルを網羅して「ダイナソー・プラネット」はそのうちのひとつ。本作「鳥類の祖先ベロキラプトル」を含め「サルタサウルスの成長」「ピロラプトルの漂流記」「絶滅した狩人ダスプレトサウルス」の4話がある▼各4話にはそれぞれ主人公となる恐竜に名前がつけられている。本作のベロキラプトルにはホワイト・チップという名前だ。シナリオの基本になっているのは発掘された化石をもとにした古代生物学者の見解だ。本作の舞台は8000万年前のモンゴルの砂漠。1999年発見された化石に、長さ4センチほどの羽毛の構造がみられた。飛べないのになぜ羽毛が生えたのかは、体温調節や異性の気をひくなどいくつかの理由が考えられるが、姿や行動が鳥によく似た恐竜がいたことは確かで、鳥は二足歩行する肉食恐竜の直系の子孫という説がいわれている▼本作はホワイト・チップの命がけの旅だ。ホワイト・チップは数日前同じベロキラプトルの群れに仲間を殺され天涯孤独の身となった。ベロキラプトルは体重約45キロ、背が低くスピードがあり知能の発達した恐竜だ。群れで狩りをする。ひとりでは餓死するのだ。腹ペコのホワイト・チップは気性の荒い肉食のオビラプトルや、ふだんはおとなしいが繁殖期には気が立っているプロケラトプスに出会うが、慎重にやりすごす。狩りにはこういう掟がある「まず狙うのは子供。つぎは群れから離れたやつ。つぎにケガをしているやつ。つぎは歩みが遅く仲間から遅れがちなやつ。なんとなればケガをしている可能性があり体力が衰えていると思われる」徹底的に弱いところ、自分より劣っているところ、下位にあるところをつくのは彼らにとって生存するために正義なのである▼狩りの成功率は10件襲撃して1件のエサにありつくくらい。敵が逃げることもあれば逆襲してくることもある。いくら腹ペコとはいえ焦るあまり、自分より強い相手や多数の敵にむかっていくのはご法度だ。当時は地上のあっちにもこっちにも恐竜がうろうろし、どこからか咆哮が聞こえたりしていた。だから飢えて狩りをするとき以外恐竜たちはハンターと獲物になる危機を含みながらも、お互いの姿がみえるところで暮らしていた。やたら殺し合いはしないのである。激しい戦いはときおり起こったが、お腹がいっぱいになればもとの平穏がもどった▼プロケラトプスが殺されたのを見届けたホワイト・チップはやおら姿を現し、食べ残しの肉を食べるのに夢中。そこへ同族のベロキラプトルが4頭で現れた。リーダーのブロークンハンドがホワイト・チップを追い払い横取りする。ホワイト・チップは歯向かわない。彼女は賢いのだ。群れがトリケラトプスをガツガツ平らげ、満腹になったときをみはからってホワイト・チップは近づき、仲間になる許可を得ようとする。「よろしい」と許可したのはトップのブロークンハンドではなく、ナンバー2のブルーブローだった。メンツをつぶされたブロークンハンドは頭にきて、ナンバー2を群れから追放しようとするが逆に追い出される。リーダー交代だ▼ホワイト・チップは群れの中で手柄をたて(恐竜の卵をみつけ仲間に食べさせた)自分の位置を確立する。三ヶ月後卵を4つ産み母親となったが、ちょっと目を離した隙に、ひとりぼっちで狩りができなくなり、飢えきったブロークンハンドが卵のひとつをむさぼり食った。三つの卵から子供が孵り子育ての最中に、ゴビ砂漠を何十年に一度という集中豪雨が襲った。子供をだいてホワイト・チップは濁流を耐えた。雨雲が去った。群れは狩りにでかけることにした。ベロキラプトルは戦略的な狩りをする。先行部隊が敵の注意をそらせ、隙ができたところに後方部隊が攻めこむ。しかしこのときのプロケラトプスの群れは散在し、子供だけがうろうろしていた。ゆうゆうと正面攻撃できると攻め込んだところ、とんでもない計算違いに出会う。リーダーのブルーブローがプロケラトプスに睨まれビビってしまったのだ。鋭い爪で跳びついたのはホワイト・チップスだった。プロケラトプスは羊を大きくしたような性格のおだやかな恐竜だが、仲間を守るときは必死だ。ホワイト・チップはみごとに振りとばされてしまった。これが結果的に幸いした。とびかかったブルーブローをプロケラトプスが脚を噛んで砂に引きずり倒した。周りを仲間たちが取り囲んだそのときだ、たっぷり雨を含んだ砂の丘が雪崩のように崩れ落ちてきて、あっというまに彼らを飲み込んだ▼ゴビ砂漠で発見された化石にベロキラプトルの脚にトリケラトプスが噛みつきている、まるでポンペイ遺跡恐竜版のような化石がある。外傷はなく一瞬のうちに即死したと思われる恐竜の姿を時が刻み込んでいた。ホワイト・チップはまた仲間を失ったが、今度はひとりぼっちではない。3頭の子供がいる。彼らはもうすぐ大人になり、母親にならって群れをつくり、恐竜のなかで最も手強いハンターとなって、厳しい砂漠の生存競争を生きていくのだ。

Pocket
LINEで送る