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シネマ365日

2013年2月28日

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム (2011年 サスペンス・アクション映画)

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監督 ガイ・リッチー
出演 ロバート・ダウニー・Jr/ジュード・ロウ/ジャレッド・ハリス/ノオミ・ラパス/ティーブン・フライ

竜頭蛇尾 

 欧州各地で相次ぐテロ爆破事件。シャーロック・ホームズ(ロバート・ダウニー・Jr)は黒幕が悪の天才モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)だと断定し、結婚式を明日にひかえたワトソン(ジュード・ロウ)とともに対決する。コナン・ドイル原作の「ホームズ最後の闘い」がベースになっているが、モリアーティともども滝に墜落し、葬式までだしたホームズが、自分を追憶するワトソンの新婚の家にケロリとして現れるなど、マンガチックなエンドを除けばまあまあじゃないですか。といいながらケチつけるわけじゃないけど、ホームズを早々と生き返らせたからにはすでに三作目が視野に入っているのでしょうね。一作目の衝撃よりやはり新鮮味は薄まりましたね。観客も慣れてしまったであろうと踏んだホームズの野性味に代わり、今回は女装したり、ワトソンの結婚をさかんに邪魔したり、モリアーティにかなうものは世界にいないとか、ホームズにあるまじき劣等感を表明するほか、屈折した友情で見せ場をつくっています▼スピーディな展開はいいのだけど、詰め込みすぎて話が混戦し、わかりにくくしたきらいがあります。ジプシーの女占い師(ノオミ・ラパス)や、ホームズの兄のマイクロフト(スティーブン・フライ)は、個性的な容貌と体型で特異性があるからいいけど、モリアーティなんか日本人にとっては平凡な「ガイジン」なのよね。このオッサンのどこが天才なのか苦しんだわ。本作はコナン・ドイルのミステリアス怪奇謎解きの魅力は二の次、映画として役柄を演じる被写体の魅力は三の次、悪魔のごとき犯罪者が企んだ壮大な計画も四の次、いったいなにがよかってンというと、ひとえにアクションですね▼緩急をつけたスローモーションとスピード感、頭がよすぎるからって筋肉がお留守かというととんでもない、ボクシングはプロ級であるホームズの軽業同様の体技▼めまぐるしい場面転換は監督の計算であって、よく理解させないうちにつぎつぎ観客を引き回し、最後の詰めになってホームズが手の内を明かし、事件のなりたちと解明ができるようになっている。だから前半も後半も、わけがわからないまま「あれよ、あれよ」と追い立てられるように見てきて「じゃあのときはそういうことだったのね」とホームズのフラッシュバックで回答が与えられる。わからないよりましだけど、竜頭蛇尾ってこれのことじゃないの。それにモリアーティの「壮大な悪事」が、ホームズが事前に手を打っておいた経済戦略により福祉への多大な寄付がなされ、一夜にして破産同様でポシャるのも笑ったな。これじゃホームズを道連れに、滝壺にとびこみたくもなるな▼ダウニーの女装もその凝りようは相当なものですが、ワトソンとホームズのゲイの関係って原作にあったか? ホームズはワトソンの結婚式をぶちこわすだけではあきたらずハネムーンをジャックする。これはアクションだけが「売り」ではないぞ、という監督のメッセージなのか。だってホームズはワトソンが事件の深みに足をつっこんでしまい、図らずも協力する気になりコンビ復活となって「幸せか?」と聞くのですよ。ちょっと過剰気味では? いやいや、シャーロック・ホームズの新機軸になる、これまたメッセージなのかもしれぬ▼ノオミ・ラパスって「ドラゴン・タトゥーの女」でハリウッド組をノックアウトしたスエーデンの女優さんですね。爆撃やら銃撃戦やらでばったバッタと敵味方が倒れていくときに、なんとなく気になるのですよ。コナン・ドイルには珍しい女性の重要登場人物・運命の女アイリーンだって今回簡単に殺されちゃったからね。ラパスは最後までホームズやワトソンと行動をともにしてスクリーンから消されなかったのはなぜ? 上昇気流に乗った彼女の存在感か。かもね。リドリー・スコットは「プロメテウス」でラパスをヒロインに抜擢、お腹を手術でパックリ真一文字に割いた直後でも全力疾走する、ものすごい女性となって登場しました。ス、ス、スコット先生、あれはなんぼ何でも、ちょっとやりすぎだったのでは。さすがのシャーリーズ・セロンも影が薄くなってしまった。これによってラパスは、ミラ・ジョコビッチを追う女性アクションスターとしてがぜん注目されているのです。

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