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シネマ365日

2013年3月18日

特集「男の顔 チャールズ・ブロンソン」 スーパー・マグナム (1985年 アクション映画)

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監督 マイケル・ウィナー
出演 チャールズ・ブロンソン/エド・ローター/マーティン・バルサム

男の磁場 

 「ロサンゼルス」につづく「狼」シリーズの第三弾。舞台は再びニューヨークに。主人公ポール・カージー行くところ銃撃戦あり。今回はズバリ、タイトル・ロール(というのもおかしいが)は「スーパー・マグナム」です。ウィルディ社の「ウィルディ・45マグナム」ですね。ダーティー・ハリーでお馴染みだったのは「マグナム44」。それよりパワーアップした最強のハンドガンのひとつといわれます。劇中カージーが革のケースをおもむろに開けると、しっとりと眠る白鳥のように、冷たく光るステンレスの銃身が横たわっている。これが「シルバーモデル」です▼ロサンゼルスで娘に死なれ恋人を失ったカージーは、旧友のチャーリーを尋ねてニューヨークに越してきます。町は荒廃し、年配の人々がおびえながら暮らしている。若者はとっくにこの町を棄て逃げ去ったらしい。チャーリーのアパートに着くと彼はストリート・ギャングに殺害されていた。同じアパートの住人にきけば、彼は無法者たちに屈服せず、最後まで抗戦していたという。現場にいあわせたチャーリーは踏み込んできた警察に逮捕される。署で署長のシュライカー(エド・ローター)は、カージーがロスの「自衛市民」であったことに感づき、釈放するかわりにギャングの粛正を命じる。弁護士のキャサリンは人権侵害だとカージーに告訴するよう助言するが、カージーは引き受ける。ギャングたちは町を支配し、男女年齢を問わず暴行略奪を繰り返していた。警察への批判は高まる一方だが、署内にいる内通者によって情報はダダ漏れ。署長は逆にカージーからの情報をあてにする。家族を殺され一匹狼となったカージーを、キャサリンは痛ましくみていたが、黙々と孤独と寂しさを耐えるカージーに男らしさを感じる。弁護士事務所を引き払って姉のいるところに移るというキャサリンが別れを告げにきた。離れがたいものがあったカージーはキャサリンの夕食に応じてベッドを共にする。そのキャサリンが殺された。カージーがちょっと車を離れた隙に、車もろとも炎上したのだ▼この町で生きていく、という人々が残っていた。車修理屋のベネット(バーティン・バルサム)もその一人だ。朝鮮戦争で使ったオンボロのマシンガンを隠していて、カージーに「いざとなったらこいつで応戦する。おれがやられたときは使ってくれ」とカージーに隠し場所を教える。窓からの侵入にそなえ、カージーはアパートの住人たちの部屋にいろんな細工をする。窓ガラスの下に何本も釘を打ちこんだ板を置く。窓を開けたら顔面に跳ね返る反射板を仕掛ける。あるときは窓ガラスの下に血だらけの足あとが、あるときは得体のしれない白い小さなものが反射板にめりこんでいた。カージーはひと目みてにべもなく「歯さ」。自分たちにもギャングを撃退することができるとわかった住人たちは活気づいた。妻を強姦殺害された夫はカージーの助手となった。手にあるものは何でも、フライパンを取ってさえ侵入者をなぐる老婦人も現れた。しかしギャングたちは各地に応援を要請。バイクでのりつける武装集団に街は市街戦を呈した。ベネットも重傷を負う。カージーは助手を連れマシンガンを撃ちつくす。残る武器はマグナム一丁。そこへ援軍が。シュライカーが手下をひきつれ応戦している。敵味方入り混じった混乱に乗じて、逃亡しようとするボスめがけてなんと、なんと、カージーが手にしたのは炸裂弾。車どころか街ごとふっ飛ばすのかよ。た、助けてー▼ブロンソンはこのとき64歳だった。なんだろう、このちがい。だれとのあいだにあるどのちがいかと聞かれても困るのだけど、やっぱり違うのよね。健康管理とか自己管理が行き届いているとか、そんな日常レベルの問題じゃないの。そんなことプロだったら当たり前のことでしょ。この映画でもブロンソンのセリフはあんまりない。ないけど一言で決めるシーンは多々ある。観客がしびれるのはそれらがブロンソンから発されるからだ。「歯さ」というなんでもない一言が重く聞こえる。それが人間の、男の重さなのだと受け止めるのにひとつも躊躇がない。いろんな言い方があるだろうが、ブロンソンという磁場があるのだ。そこから発する重力みたいなものが人を引きずりこんでいる。ちがいがわかったわ。64歳になって男女を問わずますます磁場が強くなっていく人とそうでない人のちがいよ。

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