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シネマ365日

2013年5月17日

メン・イン・ブラック3 (2012年 コメディ映画)

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監督 バリー・ソネンフェルド
出演 トミー・リー・ジョーンズ/ウィル・スミス

食欲が湧かない

 「メン・イン・ブラック」から16年、「2」から11年。「メン・イン・ブラック」シリーズもパワーダウンしてきたな。「2」よりはマシかもしれないけど、最初にあった、恥ずかしげもなくふざける、というメン・イン・ブラック精神が本作ではやれ過去だ、未来だ、死んだはずだ、いや生きているのだ、とかごちゃごちゃした因果関係で韜晦されてしまい、「なーんだ、そうだったの」という青空のようなカタルシスがないです。妙にしんみりしてしまったりしてね。過去にさかのぼらなければ物語れないという脚本そのものが行き詰まりだな。一言でいうと興味津々のキャラクターが一人もいないのよ。悪漢にしても品が悪いだけだし、K(トミー・リー・ジョーンズ)はしょぼくれ、J(ウィル・スミス)はワン・パターンだ。たとえていうなら食べるシーンがあってもひとつも食欲が湧かない映画なのだ。主人公たちは人間アニメともいうべき、絵に描いた餅みたいな設定になってしまったし。観客は映画のなかの人物がなにかガツガツ食べているのをみて、あんまりうまそうに食べるからひったくって食べてやろうかというような肌感覚が生じない▼でもさすがだと思うところはあるのよね。たとえば月にある銀河系刑務所から隻腕のボグロダイト星人ボリスが脱獄した。彼は自分の手を落としたKに復讐するため地球にもどる。地球ではJがKにあいかわらず無駄口を叩きながら宇宙人取締をやっている。本作シリーズはバディ・ムービー(相棒映画)でもありますから、そのセリフのほとばしりはそれだけでみものだった。でも「3」が気に入らない理由のひとつは、KとJの間にかわされる会話の量と質がガタ落ちになったことだ。文句はひとまずおき、さて地球に潜入したボリスにもどろう。JとKは「エイリアンが人間の内臓をむさぼり食っている」という通報を受け現場に急行する。そこは中華料理店だ。店主は料理の材料が公明正大、本物であることを主張するが彼らの本物は地球人の偽物、店の厨房には地球以外の材料がところせましと並んでいる。クジラの半分くらいの宇宙魚までいる。かれらはそこでボリスの大好物の宇宙エビを発見、大銃撃戦の結果ボリスは「お前は過去で死ぬ」と謎のような言葉を残して姿を消す。その意味がわかるのはKだけだ。Kは「あのとき逮捕せず殺しておけばよかった」とだけもらすがJがなにをきいても無視。そして自宅に戻るとなんの痕跡も残さず消息を断つ。MIB本部に出勤したJはKが40年前に死んでいることに困惑する。データベースには「1969年Kがボリスを逮捕」とあるだけで、それ以上は検索できなくなっている。Kを死なせずにすむ方法は40年前にさかのぼってボリスを殺すことだ、そこでJもまたタイムスリップして過去に降り立った▼29歳のKに出会うがこれはジョシュ・ブローリンという俳優さんであってトミー・リー・ジョーンズが若作りしたのではありません。それくらいよくにています。ボリスの目的が地球壊滅にあることを知ったKとJは、地球を防御するネットであるアークネットを宇宙人グリフィンから受け取り、それを発射をまつアポロ11号にとりつけることにする。ケープ・カナベラルに潜入したJとKとグリフィンは軍隊に拘束されるが、グリフィンの予知能力を知った大佐によって発射台に案内される。ややこしいことに1969年のボリス(両腕のあるボリス)と現在のボリス(隻腕)が現れ、格闘のすえロケットの先端にアークネットを据え付けて発射、ボリスは焼死、発射台からもどってきたKを大佐が迎えるが1969年のボリスが現れ大佐を射殺、Kは今度は逮捕せずその場でボリスを撃ち殺す。大佐の息子ジェームズが父親を探しに車から降りてくる。少年がポケットから取り出した懐中時計をみたJは、その少年こそ1969年の自分だったことを知る。父親の死を知らせたくないKはJの記憶を消していたのですね。とにもかくにも「3」はややこしい。子供クジラみたいな宇宙深海魚の大暴れする軽佻浮薄さだけが面白かったな。

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