女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

シネマ365日

2013年6月8日

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 (2010年 サスペンス映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ダニエル・アルフレッドマン
出演 ノオミ・ラパス/ミカエル・ニクヴィスト

リスベットの長き旅路 

 「ミレニアム」シリーズ最終章です。薄幸のリスベット。彼女は強靭な性格ですが、強くならざるをえなかった子供時代の背景が明らかにされていきます。今回もかなりややこしい登場人物ばかりで(映画の出来に関係ないけどスウェーデン人の名前って覚えにくいのよ)こんぐらがりそうなところを整理して、簡単にいうと「なぜリスベットは精神病院に収容され12年間も監禁され、退院後も後見人付きの監視から逃れられなかったか。そう仕組んだのはだれで、なぜそうする必要があったか」答えは「リスベットが精神病院に収容されたのは実父を焼き殺そうとしたからで、理由は長年の母への虐待だった。警察にもいい弁護士も頼ったが子供のいうことだと相手にしてくれなかった」だから「母を守ろうと父を殺そうとした」その父がロシアの上級スパイで麻薬・密輸・少女売買・買春組織の中枢だった。スウェーデンの高級官僚や警官で構成する買春や汚職に手をそめた闇の組織「班」があり、彼らはリスベットの父が逮捕されると自分たちの悪がばれることを恐れ、父親には手をださせず娘だけを監禁した▼精神病院の中でもリスベットはロリコンの幼児性愛者の精神科医テレポリアンによって弄ばれる。リスベットが社会に出てだれに何を話しても「精神異常者のいうこと」にするため事実を歪めた診断書を出し、後見人という名目でたえず監視をつけた。「班」はリスベットが生きていることが危険になり抹殺しようとする。リスベットはロシアの少女人身売買を父が牛耳っていることをつきとめ憎悪に駆られる。いっぽう父親はスウェーデン官僚たちの弱みをにぎり思うようにあやつる▼本作は「2」の続き。瀕死の重傷で病院に収容されたリスベットと同じ病院のベッドに横たえられた父親がいます。父親は相変わらず闇組織の幹部を恫喝し、事件をもみけせ「おれが口をわったらお前らは破滅だ」と脅しています。ミレニアムシリーズはよくできているのだけど、これはいただけないわ。どう考えても相手は足の不自由な老人で怪我して動けない。こんな状態でわめこうとさけぼうと、その道の専門家なら「ここで殺すのがいちばん早い」と思うのが自然でしょう。それを黙って言いたい放題いわせている。おかしいわ。闇組織「班」のトップというのがこれまた人工透析で病院通い。おれが出ていかんと始末はつかんのか、なんてぶつぶついいながら現場復帰する。いくら映画でも話にならん。本人がやるといっても引っ込ませるのがまともな組織でしょうが▼本編でもリスベットの無罪を証明するためにミカエルは奔走します。妹アニカをリスベットの担当弁護士に、リスベットさえ世界一と認めるハッカーに応援を要請、精神科医のパソコンに侵入し彼が病院でみだらな行為を強いて撮影していた少女ポルノをごっそりいただいてしまいます。しかし闇組織はミカエルたちの支援と取材を妨害するため脅迫を繰り返し仲間割れを画策します。本作の中心は法廷シーンです。リスベットは鼻ピアスに鋲、モヒカン頭の逆立てた髪、厚底のブーツ、黒の革ジャン、黒い口紅に目の隈取り、今まで自分を主張するすべだったガンガンのパンクファッションに身を固め出廷します。これが彼女の勝負服なのです。自分は精神を病んでいるわけでも頭がおかしいわけでもない、父を殺しかけはしたがそうしなければ母親が殺されていた、リスベットは正当防衛と精神病院での一年以上ベッドにしばりつけられた長期の拘束・不当監禁を主張します。検察側の証人となった精神科医の証言をくつがえした証拠は、少女ポルノの映像と後見人のリスベットに対する暴行ビデオでした。検察側は一巻の終わりとなり弁護側圧勝です。このあたりたぶん胸がすくでしょう▼さてリスベットに心の平和は訪れるのか。父親の遺産は土地やら家やら、全部ひっくるめ邦貨2500万~3000万くらい。リスベットは売り払って寄付してくれと弁護士に指示します。弁護士はちょっと考えなおしたらどう、急がなくていいからとアドバイス。賛成。リスベットはガンとして「要らん」もったいないなー。お金に罪はないだろ。そうそうリスベットの異母兄・金髪のモンスターが生きていましたね。リスベットはふと気になって父親の遺産のひとつレンガ工場に行きます。自分が誘拐監禁された廃屋です。やっぱりやつはまちかまえていた。最後の死闘。怪物にいう言葉「あなたは死ぬのがいちばんいいのよ」なにもかも清算したリスベットは自分の億ションにいる。建売三軒分くらいのスペースとゆったりした部屋数。ストックホルムの夜景がきれいだ。ピンポン。完璧なセキュリティのここにドアまでこれるのは一人しかいない。ミカエルがはにかんでドアにいる。よかったな。ありがとう。短い会話で「じゃな」「連絡する」「きっとだよ」どうなるのこの二人。知るかい。ひょっとして「4」かもね。

Pocket
LINEで送る