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特集「銀幕のアーティスト」

2013年7月12日

特集「銀幕のアーティストたち」 ローズ (1979年 事実に基づく映画)

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監督 マーク・ライデル
出演 ベット・ミトラー/アラン・ベイツ/フレデリック・フォレスト

ディーヴァ(歌姫) 

 27歳で夭折したロックシンガー、ジャニス・ジョブリンがモデルだ。彼女は1960年代アメリカの若者を熱狂させた。ジャニスはエネルギッシュなステージ・パフォーマンスで、ベトナム戦争がもたらした若者の反発と衝動を受け止めた。ジャニスを演じるベット・ミトラーは、劇中のステージで60年代最大の女性シンガーといわれた歌手のパワフルでソウルフルな歌唱を発揮している▼舞台は1969年。ボディに真っ赤なバラを描いた専用機「ローズ」からローズが降りてくる。彼女がしばしばステージで着用した薄いショールをまとって。足取りがおぼつかない。タラップを降りたところで転倒し、持っていたアルコールのビンが割れる。過度の飲酒、ドラッグそして過労が肉体をヨレヨレにしていた。「ローズ」号で公演地を飛び回る過密スケジュールが何年も続いていた。マネージャーのラッジ(アラン・ベイツ)に休みをとらせてくれとたのむが「バンドやスタッフの生活が君の興行にかかっている。彼等を餓死させるつもりか。甘えた勝手なことをいうな。だれでもみなしんどいのだ」と、なんだかピントはずれの叱責で退けるのである。もっともらしい小理屈並べても(ローズが倒れたらそれこそ誰が給料稼ぐのだよ、お前アホか)観客に多分そう思われるであろう強引なマネージャーを、アラン・ベイツが薄汚いひげづらでうまく演じている。彼はこうみえて「恋」「遥か群衆を離れて」「ゴスフォード・パーク」など、しぶいイギリス映画で実力を示したバイの演技派だ。69歳で亡くなりましたけどね▼ローズは気性が激しく攻撃的で、すぐ人間関係の破綻を招く。しかし内に繊細な感受性を秘めている傷つきやすさを併せ持っていた。作曲家にぼろくそに「もう君におれの歌は歌わせない」とまでいわれ自尊心ズタボロになったローズが外へ飛び出しハイヤーの運転手ダイアー(フレデリック・フォレスト)と知り合う。レストランに立ち寄った二人はそこでケンカに巻き込まれ、自分をかばったダイアーの男らしさにローズは惹かれ、お互いの身の上を打ち明ける。軍隊を脱走してきたダイアーをローズはスタッフとしてかかえ、いっしょに暮らすものの、奔放な行動はおさまらず、元女友だちとの関係を復活させ、行為の現場をみたダイアーは去ってしまう。いよいよ故郷フロリダでの凱旋公演を前に、ローズはラッジと大喧嘩になる。ラッジはローズにクビをいいわたし公演は中止、チケットは払い戻すと啖呵をきって出て行く。落ち込んでいるところへ、ローズを思いきれなかったダイアーが帰ってきた。ローズはなにもかもすててメキシコにいこうというダイアーの提案を受け入れ、車を走らせるが、生まれて初めて歌った店の前を通りかかり「ちょっと寄らせて」と入ったのが間違い。昔の恋人がいて今度こそダイアーは切れてしまい、ローズも車も放り出し、通りかかったトラックをとめて一人メキシコに向かう。公演会場のスタジアムではローズを待つ1万人のファンが熱気をほとばしらせていた。ラッジは折れ八方手をつくしてローズのいどころを当たっていた。公衆電話のボックスのなかで、泣きながらドラッグにひたるローズは意識がもうろうとしている。電話の交換手から居場所をさがしあてたラッジはヘリコプターでローズを会場に運ぶのだ▼ラストでミトラーが歌う「ローズ」は圧巻である。今では数多くの歌手がカバーするスタンダード・ナンバーとなっている。フランス映画「輝ける女たち」でも印象深いシーンでカバーされた。ベット・ミトラーが歌った「ローズ」は、アメリカ映画協会が2004年に選出した「アメリカ映画主題歌」83位にランクインしている。映画ではフロリダのステージで倒れたローズがそのまま亡くなることになっているが、実際はアルバム「パール」の録音のため滞在していたロスのホテルで、息をひきとっているのが発見された。死因はヘロインのオーバードースだった。遺灰はロス沖の太平洋に撒かれた。

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