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シネマ365日

2013年7月29日

友よ 静かに死ね (1976年 事実に基づく映画)

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監督 ジャック・ドレー
出演 アラン・ドロン/ニコール・カルファン

ジャック・ドレーの静かな佳品

 アラン・ドロン生誕75周年記念映画祭が神戸、京都、大阪、名古屋、六本木で華々しく開かれたのが3年前だ。なんだかんだ理屈をつけて「ショック療法」とか「あの胸にもう一度」とか「世にも怪奇な物語」とか、しょうもないとはいえアラン・ドロン全盛期の作品が上映された。これ「友よ 静かに死ね」は入っていたかな。というのもジャック・ドレーは「ボルサリーノ1・2」「フリック・ストーリー」「太陽が知っている」「パリ警視J」でアラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドと組んでヒットを飛ばしたが、本作はいちばん地味で目立たなかったからだ。1945年第二次世界大戦が終わったばかりのパリでシトロエン・ギャングという実際のギャングのグループがモデルになっている。アラン・ドロンは「狂犬ロベール」と呼ばれる五人組ギャングのリーダーだ。酒場で会った田舎者丸出しの女の子マリネット(ニコール・カルファン)がロベールの恋人となり、一年の間彼と暮らす。ロベールたちは銀行を荒らしまわるが手際のいい仕事でボロをださない。現金はきちんと山分け。余りがでたら洗礼式の子をもつ仲間にプレゼントするような、兄弟のように気のあった男同士。仕事を決めたときに集まりきっちり計画をたてて遂行し、あとはきままに暮らしている。マリネットの回想で物語は進む▼マリネットはロベールがギャングであることを知りつつも家族も故郷も棄てて彼といっしょになった。結婚は言い出せなかった。ロベールが望まない、それもあるがマリネットには泥棒稼業の彼に未来がないことがよくわかっていた。ロベールは施設から逃げ、転がり込んだのが歌手だった女性の家、以来彼は彼女を母親代わりと思って育った。学校にもいかない問題児だったが、どうにも憎めない子供だったらしい。どこかアラン・ドロンの素性に似ている。全然似合わないドロンのカーリー・ヘアがご愛嬌だ。隠れ家が包囲され進退きわまったとみえたとき、ロベールの機知で一同は脱出する。危機一髪、ほとぼりがさめるまで仕事は休もうという仲間の意見を制し、裏をかいて今だからやるのだとロベールが主張する。強盗は強行され、あっけないほど簡単に成功した。機嫌よくひきあげる途中でロベールは車をとめさせ、宝石店でマリネットへのプレゼントを買うという。目の前の豪勢な宝石にうっとりしたロベールは気が変わり、全部いただくことに、つまり盗むことにし銃をつきつけるが、隙をみて発砲した宝石店主の妻の一弾に腹を撃たれる。少し寝ろよと男たちにいわれ、仮眠をとったマリネットが翌朝目を覚ますと、ロベールが横たわっていたソファの上に毛布がきちんと畳んでおいてある。だれもいない。庭に出ると男たちがシャベルで土をかぶせている。埋葬は終わったのだ▼同じギャングものでも少なくとも「鷹」とは段違いのよさですね。餅は餅屋だから余計な監督なんかしなきゃよかったのよ、ドロンは。監督とは、たとえばこういう人に任せるものだ。こういう人とはジョン・ウーが「サムライ」をリメイクすると決まったのだ。目下脚本進行中。ジョン・ウーが気にいらなければ撮影に入らないからちょっと時間はかかりそうだが、ドイツ資本が入り撮影はベルリン。セリフは英語。キャスティングは未定。小鳥を飼っている孤独な殺し屋にだれがなるか。さー。なにしろ「サムライ」はドロンの大のお気に入り映画で「アラン・ドロン・サムライ」「サムライ・ウーマン」「ユニセックス・アラン・ドロン」これはアラン・ドロンをブランドにした香水のそれぞれ「男性用」「女性用」「男女兼用」のネーミングにしているくらいだ。監督はフレンチ・クライムの雄メルビルだったね。

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