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シネマ365日

2013年8月13日

特集 コメディエンヌ 大逆転 (1983年 コメディ映画)

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監督 ジョン・ランディス
出演 エディ・マーフィ/ジェイミー・リー・カーティス/ダン・エイクロイド

新味のコメディエンヌ 

 出世するのは血統か環境かで賭けをした大富豪二人。かれらは兄弟で「デューク&デューク」という先物商品仲介会社のオーナーだ。経営を重役のルイス(ダン・エイクロイド)に任せている。ある日会社の前でルイスの勘違いで警察にしょっぴかれることになったホームレス、ビリー(エディ・マーフィ)をみて「あの若者にいい環境を与えたらルイスに代わって会社の運営ができる。ルイスに今の環境を奪いドン底に突き落とし、なにもかも奪ったら奴は自殺するにちがいない。どっちに賭ける?」という非人間的ないたずらを仕組む。計画通りビリーは豪邸と金と執事のコールマンを与えられ、取引に商才を発揮し「デューク&デューク」のゴールデン・ボーイと新聞は書き立てる華々しいデビュー。ルイスは家を追い出されクレジットカードもストップ、預金は凍結でポケットに押し込まれたドラッグのためブタ箱入り、保釈になり迎えにきた婚約者にわけを話そうとするとき、いきなりかけよってきた娼婦オフィリア(ジェイミー・リー・カーティス)が「クスリをちょうだい」などといいながら婚約者をおしのけブチュッとキス。婚約者はその場で去る▼興行成績9000万ドルの大ヒットになった本作はカーティスの出世作だ。彼女はコメディの才能を認められる。オフィリアは気のいい、しっかりして頭も気立てもいい、しかし娼婦という役柄だ。傲慢で人を見下して生きてきたルイスが身ぐるみ剥がれ、濡れネズミみたいになっているのを家に連れてきて住まわせてやる。自分はさびれた鉱山町から出てきた、いま貯金は何ドル、お金をためてあと3年したらこの商売から引退して故郷に帰り店をもつ、とオフィリアは淡々と身の上を話す。娼婦の人生計画? ばかにするルイスに「ビジネスはビジネスよ」オフィリアはとりあわない。ルイスが居候しているから客を断らないといけない。人のことなど考えたことのないルイスがやっと「ぼくがいると仕事にならないね」なんておもんばかるようになり、アパートを出ていったものの雨に打たれ肺炎をおこして戻る。どこまでも手のかかる男をオフィリアはやさしく看病するのだ。なんて男に都合のいい設定ときたものだ。本作が9000万ドルもヒットしたのはどんでん返しの醍醐味もさることながら、一見アホらしい役柄を、男のためではなく自分の未来のため、としっかり割りきって生きるカーティスの、自信のあるさばさばしたオフィリアに女性客が共鳴したからだ。コテコテでなくてもコメディはやれる。むしろ新味のコメディエンヌをカーティスは開拓したといっていい▼自分たちがたった1ドルの掛け金のために操られたと知ったルイスとビリーは復讐に出る。金持ちに復讐するいちばんいい方法は金を奪うことだ。二人の計画を知ったオフィリアとコールマンも一役買う。四人はオレンジ収穫量の見積書をマイアミから農務省に運ぶ特別保安官と同じ列車に乗り込み、見積書の入ったブリーフケースをニセの見積書に取り替える。このシーンの四人の変装は本作のスポットライトだ。ビリーは中東の留学生、コールマンは牧師、オフィリアは金髪を三つ編みにし、赤いチョッキを着た「アルプスの少女」ふう出で立ちなのになぜかスエーデンからの旅行者、ルイスは仮装カーニバルのパーティーに紛れ込んだ道化。保安官に賄賂を握らせ見積書を先読みして設けていた兄弟の手にニセの見積書をつかませる。それを鵜呑みにした兄弟は「オレンジ大豊作」の情報に全財産を「買い」につぎ込む。オフィリアは「体を張ってためたお金よ」と、コールマンもあるだけの金をルイスとビリーの作戦に賭ける。買い占めにでた兄弟にルイスとビリーは「売り」一本で押しまくる。値が下がったところで「買い」を仕掛け、値が天井を打つと怒涛の「売り」。生き馬の目を抜く金融ビジネスと逆転のカタルシスとハッピーな顛末で、文句なくスカッとする映画でございました。

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