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アニマルハート

2013年8月8日

「びわこ虫」増加!? その真相は―。

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滋賀県琵琶湖環境科学研究センター

去年、琵琶湖の水草が減少
1970~2000年代初めの状況を懸念する人も

 「びわこ虫」増加―!? 琵琶湖南部で1970~2000年代初めに大発生した「びわこ虫」が、再び増加の可能性と一部報道機関で今年5~6月に報じられました。「蚊柱」と呼ばれる群れで飛ぶ習性や、洗濯物や建物の壁面を汚すことから“不快害虫”と呼ばれる「びわこ虫」。今後の発生について真相を探ろうと滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(滋賀県大津市)を取材しました。
 対応してくれた同センターの井上栄壮・主任研究員(陸水生物学)によると、「びわこ虫」はユスリカ科のオオユスリカやアカムシユスリカの成虫をさすことが多く、オオユスリカは主に4~5月と10~11月頃、アカムシユスリカは10~11月頃に成虫が現れるそうです。
 成虫の増減を左右するのは、琵琶湖の植物プランクトンと水草。これら2種のユスリカの幼虫は湖底の泥の中にすんでおり、水草が増えると幼虫の生育環境が悪化し、幼虫の餌のもとになる植物プランクトンが増えると水が濁って水草が減り、成虫になるまで生き残る割合が高くなると考えられています。

 滋賀県立琵琶湖博物館(滋賀県草津市)の調査によると、琵琶湖南部の水草は特に2000年代に入ってから急増し、これら2種のユスリカの大発生が00年代以降、急減に転じた時期と一致しています。ところが去年、琵琶湖南部で一時的に植物プランクトンが増え、水が濁って水草が減ったことで、大津市を中心に今年の春にオオユスリカの成虫が若干増加したとみられています。このため、秋には過去のように「びわこ虫」が大発生するのではと思っている人もいるようです。
 しかし井上さんは、「去年、水草が減ったのは一時的な現象だったようだ」として、「今のところ、生態系全体の変動が根底から変わったわけではないようで、この夏になって水草は再び増えつつある。当面、1970~2000年代初めのようにオオユスリカやアカムシユスリカの成虫が大発生することは考えにくい」と話します。
 さらに「びわこ虫」と呼ばれる虫の定義も曖昧だとしたうえで、「他の昆虫を『びわこ虫』ととらえているケースも少なくない」と指摘。ユスリカの幼虫や成虫は魚や水鳥の餌になるほか、水質の浄化にも役に立つため、「いたずらに不安視せず、琵琶湖を含めた自然環境全体に興味をもち、見守っていただければ」と呼びかけています。

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