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シネマ365日

2013年8月27日

ディスタービア (2007年 サスペンス映画)

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監督 D・J・カルーソー
出演 シャイア・ラルーフ/デヴィッド・モース/キャリー=アン・モス/サラ・ローマー/アーロン・ヨー

大いに「明るくさわやか」です 

 ヤング版「裏窓」です。映画館なら途中ででられないから仕方ないけどDVDだとどうだろうな。前半早送りしてしまったわ。父親を亡くした高校生がトラウマで自暴自棄になり教室で教師を殴って謹慎処分。足首についたセンサーは半径30メートル以上自宅を離れると通報装置が作動しパトカーがかけつけ、三度繰り返すと裁判の上少年刑務所送りである。高校生のケイルがシャイア・ラブーフだ。「穴(HOLES)」や「アイ・ロボット」のときから男くさくなって、スピルバーグが「ヤング・トム・ハンクス」だなんてもちあげているらしいよ。そういえばこの映画「ヤング裏窓」とか「ヤング・トム・ハンクス」とか〈ヤング〉で喩える感覚がぴったりですな。ケイルの隣に引っ越してきたこれまた高校生くらいの女の子アシュリー(サラ・ローマー)がケイルの〈覗き〉を知って興味をもち仲良くなる。一日中覗きしかすることのない、いい若いやつが家の中にいてゴロゴロ体を持て余していたら考えることはたったひとつ、セックスしかないでしょ。ふつうなら気色悪いオタク男子にどんどん接近していく女の子の気が知れん。ケイルの親友のアジア系ロニー(アーロン・ヨー)が面白い子だ。「ジョーズ」に出てきた海洋学者のような持ち味で、この映画の〈ボケ〉を受け持っている。力演のラブーフ君よりよっぽどいい線をいく▼本作のような映画をサバービアというのでしょうね。ヤング感覚といい郊外型リッチな生活でレジャーを楽しむスタイルといい、おしゃれで軽やか。全編この感覚がただよっています。しかるにというか、ケイルとアシュリーが仲良くなってソファに倒れこみ…というくだりなんか「まだなにも起こらんのかこの映画は。退屈やの~。ガキのコチョコチョにつきあっておれんわ」となってしまう。ごめんな、監督。制作費2000万ドルで興行収益1億1700万ドルだった。前半のもたつきもなんのその、後半のスピード感にやっと救われています。終わり良ければすべてよし、とはこの映画のためにある言葉だわね▼ガキぞろいの本作に、完全オトナ感覚の役者がひとり出演しています。殺人犯の隣人ターナーに扮するデヴィッド・モース。17歳から舞台に立ち端役ばかりこなしながらコツコツと力をつけ、マイケル・チミノやショーン・ペンの監督の話題作に出演、ヒット作の常連として幅広く活動する。印象に残った映画に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でビョークに罪をなすりつける貧しい、せちがらい殺人犯、「グリーン・マイル」でのトム・ハンクスの相棒の看守、「ザ・ロック」ではエド・ハリス扮したハメル准将の右腕でありながら裏切りに走る少佐。のびのび・さばさば・イケイケどんどんのノーテンキ感覚とはまったく異なる、クセと翳りのある役を得意とします▼粗筋はもうわかってしまったようなものですが、念のため。父親を自動車事故で亡くしたケイルは父の死は自分に責任があるという思いから立ち直れずヤケになってしまう。学校での事件で自宅謹慎になるが、望遠鏡で近隣を覗きまわっているうち、世間を騒がす連続殺人犯は隣のおじさんミスター・ターナーではないかと疑いを持つ。しつこくつきまとう高校生男女三人をターナー氏は礼儀正しく対応する。ケイルの母ジュリー(キャリー=イン・モス「マトリックス」)は反抗的なケイルに手をやき、彼のいうことをまともにとりあげない。覗きの深みにはまっていくケイルは、とうとうターナー氏の家にロニーを潜入させる。不法侵入ではないか。さんざんさがしまわってなにもなくとうとう警察沙汰に。つぎこんなことになったら訴えると引導を渡され、母親はターナー氏の家まで謝りに行く。しかし、自宅にセットした〈覗きの七つ道具〉パソコンに映った映像には、行方不明になった女の顔がゴミ袋のビニール越しに映っていたのだ。ビニールでぼやけた不透明な映像でろくにみたことのない女の顔が判別できるのか疑問だが、ここまでくると上映時間もあとわずか。ぐずぐずしておれない、映画はいっきょにラストへ突入であります。めでたし、めでたし。やれ連続殺人だ、何だ、カンダといっても、グロテスクで残酷な描写のないのが、明るくさわやかなサバービアの救いですな。

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