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シネマ365日

2013年8月30日

ダイヤルM (1998年 サスペンス映画)

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監督 アンドリュー・デイヴィス
出演 マイケル・ダグラス/グウィネス・パルトロー/ヴィゴ・モーテンセン

けっこういい映画

 監督がアンドリュー・デイヴィスですね。ヒッチコックの名作のリメイクだからやりにくかったかというと、全然そうじゃなかったみたい。デイヴィス流がよくでています。この監督にはスティーブン・セガールのデビュー作「刑事ニコ/法の死角」がありました。今でもセガールの代表作です。海上版「ダイ・ハード」というべき「沈黙の戦艦」もセガールのヒット作ですね。「逃亡者」ではトミー・リー・ジョーンズにアカデミー助演男優賞をとらせています。アクションはアクションでも「コラテラル・ダメージ」は、地下鉄の座席に座ったまま死んだ殺し屋がトム・クルーズで、彼をのせた始発電車が遠ざかっていくラストシーンなんか、叙情的なまでにきれいでしたよ。それに男の世界だけが得意かというとそうじゃない。女犯罪者とちょっとアタマの弱い札付き男たちが、砂漠の真ん中の少年刑務所を舞台にばかなことをやる「穴/HOLES」とか、さっぱりごぶさただったケヴィン・コスナーが久しぶりにいい役をやった「守護神」とか、記憶に残る映画を撮る監督です。リメイクではあってもこれはこれでけっこういい映画ではないでしょうか▼舞台設定もだいぶ違っていますが、主人公夫婦がいて夫が妻殺害計画をたて実行犯が忍び込む、という大筋はかわりません。わかりきった話のどこが面白いのかというと、やっぱり主演級3人が頑張ったからだろうな。今さら、というだろうけどマイケル・ダグラスのいやらしさ、怨みとコンプレックスにまみれたネクラの陰険さが素晴らしい。劇中ひとつも笑わないのです。グウィネス・パルトローはもともと育ちのいいお嬢さんなのよ。彼女の人生の分岐点は「セブン」でしょうね。共演したブラピと婚約するが破局、でも女優として注目を集め「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー主演女優賞。最近では「アイアンマン」でガンガン活躍中。アメリカで最も影響力のある女性のトップに選ばれもした。男と別れてサクセスした二大女優のうち一人。もう一人? いやだなー、トムと別れたニコール・キッドマンですよ。パルトローの父親思いは有名で「父に捧げる思い出のレシピ」という料理本を出版。ウルサ型の女性の間で料理はまずまずパスしたが「準備する最小限必要な調理道具」を揃えたら、17万円もかかるのは「全然わかっとらん」と物議をかもした。料理といえば彼女はヴェジタリアンというか、マクロビオティックの実行者で玄米菜食を基本としている。ともかく、ねっとり策略型のマイケルと大富豪の跡取りお嬢さんグウィネスという役の組み合わせからしてドラマティックです▼そこへヴィゴ・モーテンセンがいっちょう噛む。絵が好きで自分で絵筆をにぎる彼が絵描きの役ときたから「任せて」とばかり劇中自分の絵を出している。彼はこのとき40歳「ダイヤルM」は彼を開運させた映画で、以後「ロード・オブ・ザ・リング」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「イースタン・プロミス」「危険なメソッド」と、出演作品はオスカーに、監督ではデヴィッド・クローネンバーグに出会い、シャープな美貌がいやましに冴えている。そういやなにかの雑誌かサイトの「もっともセクシーな男性」のトップに彼が演じたアラゴルンが選ばれていました▼破産寸前に追い込まれた夫マイケルが、妻パルトローが死ねば100億ドルの遺産を相続することに着目(殺しちゃえ)となり、妻の愛人のヴィゴに殺人をもちかける。彼は芸大出身の画家といつわっているが、絵は刑務所で覚えたものだって。今も昔も「芸術家もどき」ってそんなモテルのでしょうか。金を目の前にしたらあっさり「殺し」を引き受けるヴィゴもワルぶりは相当だ。パルトローだからラストでマイケルをやっつけるのに手間取ったけど、これがアンジーやシガニー・ウィバーなら「喰らえ、クソ男」ボカボカッとまあ全然ちがった展開にせざるをえなかったでしょうね。いやいや監督は金髪フェチのヒッチに敬意を表したキャスティングだったにちがいない。キャメロン・ディアスで猛烈に脱線させる手もあったな…なんて思ったら楽しくなる映画でした。

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