女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「ディーバ(大女優)」

2013年9月18日

特集ディーバ(大女優) ヘレン・ミレン 第一容疑者4 消えた幼児 (1995年 犯罪映画)

Pocket
LINEで送る

監督 ジョン・マッデン/サリー・ヘッド
出演 ヘレン・ミレン/ビーティ・エドニー

やりきれない告白 

 ジェーン・テニスン(ヘレン・ミレン)はめでたく警視に昇進しました。個室のドアに「警視 ジェーン・テニスン」の表札をあげ、前任者ソーンダイク(前作の敵役)の名札をゴミでも捨てるようにポイ。肩で風をきって着任です。警視としての最初の事件が本作「消えた幼児」(本作から副題がつくようになった)です。生まれて14カ月の赤ん坊ヴィッキーをかかえるスーザン(ビーティ・アドニー)は20代のキャリア・ウーマン。シングルマザーであり女手ひとつでヴィッキーを育てている。浮上した容疑者は、付近の公園で不審な男を見たというスーザンの証言による。彼は幼女への性的虐待の前科があった。立ち直りかけていたときに恋人や警察から疑いをかけられ再び転落してしまう。テニスンの部下も過去に虐待の体験があり、容疑者に過剰に反応し傷害を負わせる。行き詰った捜査に加え部下の行き過ぎに頭をかかえるテニスン。前回にテニスンは中絶しており、子供をかかえて働かねばならないスーザンの立場をよく理解していた。本作には以上のようなモザイクが散りばめられているが、事件の本筋をいうとこうだ▼ヴィッキーの面倒は昼間保母のキャロラインがみている。キャロラインがいつも通り、ヴィッキーの世話にきた。ドアはあいていて不審に思い、入っていくと頭から血を流して倒れているスーザンを発見した。ヴィッキーのベッドは空だった。キャロラインは救急車を呼ぶ。病院に収容されたスーザンは一時的な記憶喪失に陥っていた。現場に入ったテニスンは身代金の要求がないところから、犯人の動機は幼児虐待かいたずら目的、あるいは子供ほしさの行動と読む。スーザンの面通しによって「あの男性」と示されたのが前科のある男性だった。テニスンは容疑者の治療記録の開示を担当した精神科医に要求するが「倫理に反する」として拒絶される。「あなたはこの容疑者が犯人だったら、倫理に反する行為はどっちですか」と詰め寄る。ヴィッキーの遺体が川からひきあげられ、幼児虐待への世論の糾弾が激しくなったことから、医師は治療ビデオを見せる。容疑者の告白は生々しい▼容疑者は取り調べや尋問で刺激を受け、抑えられていた性癖が頭をもたげる。恋人は自分に前科があるとわかり別れを告げた。彼女は娘二人に接する容疑者の態度に不審を覚えてのことだったが、彼はそう受け取らない。疎外感が強まり恋人とその娘二人を人質に閉じこもって「自分は無実だ」と訴え、テニスンを出せと捜査隊に要求する。テニスンは無実だと叫ぶ容疑者の言葉に「そう思うわ」と答えるのだ。真相はどこにあったのか。事件がえぐりだしたのは意外な犯人だった。病院に収容されていたスーザンは、人質誘拐閉じこもりの報道をテレビでみて「子供たちがあぶない」といい、監視の目を盗んで現場にたどりつく。襲撃隊が発砲し負傷した容疑者が連行された。子供は無事だった。スーザンの告白が流れる。「いい仕事をみつけ、きれいな家具で家を飾り立てることが大事だった。一所懸命仕事をした。でも子供を産まなければ女として一人前でなく、存在価値がないように言われ、出産した。子供は一日も一時間も黙っていなかった。毎日泣き続け、少しも眠れない。疲れきって少し黙っていてくれたらと思い、口をふさいだら静かになった。わたしは静かになったヴィッキーを抱いて川に連れていった。家に帰ってきてヴィッキーを探したがどこにもいなかった。泣き声が聞こえなかった。ヴィッキーは消えてしまった」テニスンはスーザンの告白を痛ましげに聞く▼今回のテーマはやりきれないものがあります。これならまだテニスンが情事の相手と、未練があるようなないような、ないようであるような、ガラにない女の湿っぽさを、グジャグジャさせていたほうが、気らくに見ておれました。

Pocket
LINEで送る