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特集「ディーバ(大女優)」

2013年9月19日

特集ディーバ(大女優) ヘレン・ミレン 第一容疑者5 死のゲーム (1995年 犯罪映画)

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監督 サラ・ピア・アンダーソン

難攻不落の敵 

 「わたしは会計士じゃない。警官なの。そんな仕事をまわしてこないで」夜中まで残業しているテニスン警視(ヘレン・ミレン)が電話で文句を言っている。相手は上司のマイク・カーナン警視正(ジョン・ベンフィールド)だ。その直後「え? あ、そう。わかったわ」両手をすりあわせ舌なめずりしながら「サンキュウ、サンキュウ」。殺人事件が発生し所轄の責任者に連絡がとれない、至急本庁の応援を頼みたいという電話だったのだ。テニスンはいそいそと出かける。現場から逃げた男女が二人。首を吊って死んでいたのは地元カントリー・クラブの支配人デニスだった。便器にすわり下半身は露出、首にコードがまきついたというエログロな現場だ。デニスの周辺を洗ううち、地元の実力者グリーンリース、デニスの女性弁護士マリア、その愛人で区議会議長のポールらが現れる。デニスは不動産物件の汚職にからんでおり、グリーンリースやポール議長らが当事者として浮かび上がる。テニスンは事件隠蔽をはかる謀殺だと断定する。第一容疑者に浮上したのはマリアだ。その娘ポリーや、ポールの息子ヘイミッシュは親子関係の断絶に悩んでおり、ポリーにはジェフというジゴロが接近していた。犯人をあげるキーマンはいったいだれ。本ボシの見当はついたがなにしろ相手は弁護士で難攻不落。逮捕して裁判に勝つためには動かぬ証拠がいる。部下たちは逮捕にはやるがテニスンは動かない。二度、三度、マリアにアプローチするものの鉄壁の論陣に退却を余儀なくされる▼本シリーズでは毎回、テニスンの脚を引っ張る男性上司もしくは同僚が登場しますがこのたびは所轄のレイモンド警部。情事にふけって現場に現れなかったレイモンドに、翌朝テニスンは「わたしは応援を頼まれているの。捜査の指揮はわたしがとります。邪魔しないで」情事の相手がクリスティン巡査部長。彼女もテニスンのチームの一員となるがもちろん肌があわない。テニスンに反抗的で、聞きこみ先では署に抗議がくる不始末をするが、彼女の能力を買ったテニスンは「クリスティンを降板させろ」というマイクに、結果をだしてやるから彼女の処分を保留にせよと翻弄する。マイクが登場するのは必ずテニスンに手を引けという場面だ。しかし自分が警視正に昇進したのは部下テニスンが優秀だったからであり、彼はいつも上級官僚とのあいだの、テニスンおろしとテニスン擁護に、自分で自分に腹をたてながら悶々とする。テニスンの右腕であるハスコンズ刑事(リチャード・ホーレイ)は四方敵ばかりの署内でただひとり誠実な部下として活躍します。クリスティンもテニスンがクビをかけて自分を守ってくれたことを知り態度を一変、捜査網は徐々に狭まりますが証拠が足りない。事件解決のためには手段を選ばず。テニスンは強引な手に出ます。マリアはついにこらえきれず自供。難敵は落城しました▼本作にはめずらしくテニスンの男関係がありません。100分という上映時間のわりには登場人物とその相互関係や背景がいりくんでいて、テニスンの情事にまで入りきれなかったのか、そっちのことではおとなしかったですよ。それに敵役のレイモンド警部の線が細く、テニスンにやられっぱなしも無理ないな、という感じです。本シリーズをおもしろくさせている「悪役」のひとつは「警察内部の腐敗」ですが、今回憎々しいほどの「悪役」がいなかったのが物語をあっさりさせていました。

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