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特集「ディーバ(大女優)」

2013年9月21日

特集ディーバ(大女優) ヘレン・ミレン 第一容疑者7 裁かれるべき者 (1996年 犯罪映画)

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監督 フィル・デイビス
出演 ヘレン・ミレン/ジョン・マッカードル/スティーブン・マッキントッシュ

マンチェスターの町 

 パーティーの席上同僚・上司に赤ワインをぶっかけたのが原因か、ジェーン・テニスン警視(ヘレン・ミレン)は、首都警察を離れマンチェスターに赴任した。うらさびれた町の小学校で警察の役割等について講演するのがテニスン。自分のガラではないからほかの仕事をくれと上司のバリンジャー警視正(ジョン・マッカードル)に訴える。治安のよくない地域の団地で立てこもり事件発生という一報が入る。テニスンは飛んでいく。本編ではいやらしい感じの悪い、骨までどす黒い男がきっちり出演して大いにドラマを盛り上げてくれます。組織内犯罪があからさまに露呈されるのに、犯人さえ逮捕したら内部の悪には打つ手がないのか。事件が解決し真相が白日のもとに明らかになると、そこにあったのはどうしようもない無力感だった…今回はそんなテニスンがいます▼団地の一室に駆けつけると、町の有名人みたいな男ストリート(スティーブン・マッキントッシュ)が現れ室内に入りけがをした黒人マイケルを救出、犯人は逃走していなかった。ストリートは警察に協力を申し出るが彼は地元を仕切るギャングの元締めである。犯人は自分だといって出頭したのが学校でテニスンの「警察に望むものは」の質問に「法と秩序」だと答えた黒人の少年キャンベルだった。理由も話さない。帰宅させたところキャンベルの指紋のついた銃が発見された。このキャンベルも惨殺死体で見つかる。殺人現場は廃屋にある水の入っていないプールと特定された。鑑識の調べでキャンベルに打ち込まれた銃弾は6発。頭蓋骨を撃ちぬかれ辺りは血の海になったはず、少年はひざまずいて命乞いしたにちがいない、膝にあるアザがその証拠だ。鑑識の説明をきくテニスンに怒りと憐憫の色がにじむ。彼が警察に求めた法と秩序はまだ示されていないのだ▼キャンベルの母は麻薬中毒、母親に麻薬を覚えさせて廃人同様にしたのがストリートであり、その手先になっているのが姉のボーイフレンドであるマイケルなのだ、だからキャンベルはマイケルを殺そうとしたが、間違ってちがう手下を撃ってしまった。キャンベルが警察に自首したことで制裁を加えられなかったボスのストリートは面目丸つぶれ。ギャングの身内のなかでは早くもボスの座を伺う連中が、ストリートを狙っている。テニスンはマイケルがキーマンだと絞込み、厳しい尋問で口を割らせるのにあと一歩というとき、飛び込んできたバリンジャーが尋問をストップする。バリンジャーは本作でテニスンの情人である。妻子がいて、捜査に行き詰ったテニスンが男に会いたくなって電話すると、妻に居留守を使わせるようなやつだ。テニスンもわりきった関係であることは承知のうえだが、このたびは目をすったというか、警官の魂を売り渡したような男にその気になってしまった。マンチェスターという廃れた町のせいか、学校まわりの警察活動啓発の講師という任でない仕事のせいか、このたびのテニスンは破壊力が弱い。彼女の敵役である強烈な仮想敵がいないのだ。寝た男が裏切り、しかも内部通報者だったという、テニスンにはすこぶる後味の苦い結末だが、バリンジャーは「町を浄化するためストリートと組んだ。彼から情報を得てギャングどもを粛清するか(小者ばかりだが)事件を未然に防いだ。学者や政治家にそんなことはできない。大きな正義を守り善良な市民が安全に暮らせれば、クズみたいなやつが一人くらい殺されても仕方ない」などと居直るではないか。そんなクソ理屈に耳をかすテニスン姉御ではなく、キャンベルの姉は危機一髪のところでテニスンに救われる。目隠しされ二階から突き落とされ、生きていたところをテニスンが発見したのだ。ストリートとテニスンが一対一で対決するのが最後にあるのですが、そこでもテニスンはしぶとくねばり「取引しましょう」ともちかける。そこへ姿をみせたバリンジャーとストリートの罵り合いがあって(さあどっちが先に撃つのや)となったとき、バリンジャーが隠しておいた狙撃隊の一斉射撃でストリートは即死。ついでにわたしも殺したかったのだろうとテニスンは捨て台詞を吐く。ま、この事件解決で首都警察にもどれるであろうことが唯一のなぐさめですね。

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