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特集「ディーバ(大女優)」

2013年9月24日

特集ディーバ(大女優) ヘレン・ミレン 鬼教師ミセス・ティングル (1999年 コメディ映画)

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監督 ケヴィン・ウィリアムス
出演 ヘレン・ミレン/ケイティ・ホームズ

ヘレンの物好きな選択

 これくらい後味の悪い映画も珍しい。いくら嫌われ者のミセス・ティングル(ヘレン・スミス)でも、彼女が校則をやぶったわけでも生徒に暴行したわけでもない、普通の先生なのに「鬼教師」なのだから白ける。てっきりヘレン・ミレンが異常者で、生徒連続殺害事件の犯人にでもなるのかと思ったら、ちょっと厳しいだけの歴史の先生ではないですか。この程度の先生いくらでもいますよ。ハリウッドの監督は教育現場なんてじつはなにもしらないのに〈知ったかぶり〉で作ったのだ。バカだな~。ティングルがひどいやつだというなら、生徒三人のほうがよっぽどえげつないことしているじゃないの? ティングルの自宅に夜遅くおしかけ(常軌を逸している)抗議を拒絶されたからといって手足をしばりベッドにくくりつけ(ポーズが「エクソシスト」のパロディ)、男一人女二人のグループは階下でいちゃつきはじめ、そこへ体育のコーチが訪問、二階のティングルを発見されては一大事と、生徒の一人がティングルに変装しおい払おうとするが、コーチの言動から彼がティングルと密かにSMプレーに興じていることを知り、気絶させてベッドに並べ写真を撮る。こうなると生徒のいたずらではすまない。「彼をまきこまないで」と頼むティングルのほうがどう考えてもマトモではないか▼おまけにこの学校の校長先生。ティングルとクビにするのだけど、なにが不幸といってこのオッサンのIQに率いられてきた学校管理の不幸を思うね。職場でティングルにいつもやりこめられていた憂さを「ここぞ」とばかり晴らすやつだ。サドだろうとマゾだろうと合意の上の個人の嗜好がとやかくいわれることか。そんなこといいだしたら、家に帰ってポルノ雑誌やビデオをこっそり見ている教師とか、男同士でストリップやフーゾクに繰り出すセンセイらってこの世に一人もいなかったのかよ。先生のやりかたに腹をたてた生徒の復讐劇を映画にするのは勝手だけど、もう少しまともな質であってほしいわ。どんでん返しの連続でウンザリしかけた「ワイルド・シングス」なんか、同じ教師と生徒の復讐ものでも、この駄作に比べたら格段に高品質だったわ。ティングルはクビになり成績表を改竄した生徒はめでたくハーバード大学の奨学生になり、共犯二人は手をとって喜ぶ。こういうばかばかしい学園ものが、まだなにも世間を知らない若い子のアタマをどれだけ毒しているかと思うと恐ろしい。彼らの台詞といえば「アンタはわたしたちの若さと未来が妬ましくてしかたないのよ。教師やって20年の独身でもてない中年の女にこの先なにがあるというの」…差別しかないこのお粗末な発言をする知性にこそ、どんな未来が期待できるのか。ティングルがつぶやいた「わたしはただあなたたちに学んでほしかっただけよ」というのは正直な言葉だろう▼高校生三人がティングルの「悪魔のささやき」で翻弄され、仲間割れしそうになるところだけはおもしろかった。それにしてもヘレン・ミレンはなにが楽しくてこの映画に出る気になったのだろう。彼女はこのとき54歳だ。すでに「第一容疑者」はシリーズ化されカンヌ国際映画祭の女優賞も二度とっていた。自分のカラーにあった役柄と思えたのかもしれないがキャリアの足をひっぱっただけですね。シガニー・ウィーバーも悪役好きだったが中身そのものが低レベルの映画には出ていない。物好きな選択もホドホドにするべきだろう。それとケイティ・ホームズがハーバード志望の高校生役で出演している。トムよ、君はなんで性懲りもなく背の高い女性ばかり嫁にするのだ。ごらん、ろくな結果にならなかったじゃないの。

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