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特集「ディーバ(大女優)」

2013年9月26日

特集ディーバ(大女優) ヘレン・ミレン グリーンフィンガーズ  (2000年 事実に基づいた映画)

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監督 ジョエル・ハーシュマン
出演 クライヴ・オーウェン/ヘレン・ミレン

神をみつける最適の場所

 異色の刑務所劇だな。コリン(クライヴ・オーウェン)は殺人罪で長期刑。模範囚なのでエッジフィールド刑務所に送られてきた。そこは鉄条網も監視もいない、模範囚だけを収容する刑務所だ。ハッジ所長は(ホントにこんな刑務所長がいるの?)と思うくらいよくできた人で、奥さんともども受刑囚たちの更生に心を尽くす。コリンはすっかり世をすねた男。同室のファーガソンという、やさしく話しかける老人に返事もしない。ファーガソンが三人の妻を殺した終身刑であり化学療法を受ける末期がん患者だと知る。そんな彼が残りわずかな人生を晴れ晴れと受け容れている。ささくれだっていたコリンがなにくれと老人の世話をやくようになる。典型的ツンデレキャラである。ある日コリンは土が固いからここでは難しいとファーガソンがいうスミレのタネを何気なく蒔く。春になりファーガソンがコリンを呼ぶ。土をかぶりながらも紫色の花を覗かせたスミレにコリンは歓喜する。そこへサッカーボールが飛んできて無残に花をペシャンコにした。怒り狂ったコリンはサッカーチームと大乱闘。わけをきいた所長は敵味方共同作業として「ガーデニング」をやることを命じる。コリンは「もっと日当たりのいい場所でないとだめだ」と場所選定にうるさい。黒人の囚人ロウが「ここはイギリスだぞ。わかっているのか」というところは笑わせた▼「お前はグリーンフィンガー(天才庭師)だ」とファーガソンが驚愕するほどコリンのガーデニングはめきめき上達した。「ガーデナー(庭師)になって資格をとろう」囚人たちは希望をふくらませた。所長の妻は評判のガーデニング・コンサルタント、ジョージナ(ヘレン・ミレン)の出版サイン会に行き「ここから車でたった10分のところにあなたの大ファンがいる」と強引に刑務所に連れてきてしまう。囚人たちのガーデニングの現場を見たジョージナは技術の高さに驚き、コンサルを引き受けた。そればかりか、英国の名門ガーデニングショー「ハンプトンコート」に出品できるよう主催者協会の理事たちを説得する。刑務所の連中を宮殿(敷地内が会場)に呼べるか、という反対を押し切り参加が決まった。コリンは花々に話しかける。「刑務所生まれだからって勝てないはずはない。誰にでも勝つチャンスはある」。そんなとき強盗事件が起きた。その家のガーデンニングをしていた受刑者たちが疑われ出場は取り消し。失意のコリンにファーガソンはいう「不幸と仲良くなれ。逆境はともだちだ」そのファーガソンも死にコリンにめでたく出所の日がくる。苗の配達をしながらまじめに働くコリンだったが、新聞で強盗事件の真犯人がつかまり冤罪が晴れたことを知る。ある朝コリンは花屋のウィンドウを粉々に割る。たちまち警報が鳴ってパトカーが来るのを待つ。彼は再び刑務所に戻るのだ。もう一度「ハンプトンコート」に挑戦するために▼ジョージナの娘とコリン、受刑囚の一人と若い女性職員の恋愛とか多少の曲折はあるものの、全体にスンナリいきすぎるのが難ですが、後味はさわやかです。彼らの作品は結局なんの賞もとれなかったのですが、帰り支度をしているとき宮殿からいかめしい官吏が数人、つかつか近づき「陛下のお招きがある」陛下って、ま・さ・か。最後のいちばんいいところに女王陛下をだすとはいかにもイギリス映画ですが、そうイヤミではありません「非公式にですが陛下は受賞の選択にご不満をもらされ、あなたたちにお会いになりたいと招待された」宮殿の長い、長い赤絨毯を、刑務所の制服のまま胸を張って歩くコリンたち。ガーデニングを採用することに決めたハッジ所長の言葉がカッコいいです「神をみつけるのに最適な場所、それは庭だ」(バーナード・ショー)

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